あきれた実態…月給13万~30万円の男女5人、製麺工場で働く 派遣した会社の取締役ら逮捕 在留カードが無効、偽造か 雇用保険の申請で発覚 工場から派遣会社へ報酬2300万円

不法就労助長の疑いで逮捕 鴻巣の派遣業者

 埼玉県警外事課と鴻巣署、西入間署の合同捜査班は5日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで、労働者派遣業「ワークエイチビー」(鴻巣市)の取締役の男(73)=坂戸市花影町=と、同社社員でペルー国籍の男(55)=坂戸市片柳=を逮捕した。東京出入国在留管理局(東京入管)を通じ、埼玉労働局から県警に不法就労に関する情報提供があった。同労働局からの情報提供による逮捕は県警としては初という。

 逮捕容疑は共謀の上、在留期間を過ぎて滞在する20~40代のベトナム人男女5人を川越市の製麺工場に派遣し不法就労させた疑い。県警は共犯事件のため認否を明らかにしていない。

 同課によると、5人は昨年3~6月ごろ工場に派遣され、今年4月まで稼働。その後、同法違反(不法残留)の疑いで県警に逮捕されていた。昨年7月、同社が行田市の職業安定所に派遣労働者36人分の雇用保険の登録を申請したところ、逮捕された5人を含む17人分の在留カードが無効で、偽造とみられることが発覚。職業安定所から報告を受けた埼玉労働局が東京入管に連絡し、県警に情報提供した。

 ベトナム人5人はいずれも、短期滞在の在留資格で日本に滞在。一部は交流サイト(SNS)の求人を見てペルー国籍の男と連絡を取り、工場での勤務で月に13万~30万円の報酬を得て、生活費などに充てていたという。同社は5人を派遣し計約2300万円の報酬を工場から得ていた。同社は約240人の外国人労働者を派遣しており、県警は余罪について捜査を継続している。

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