WP(ウェビックポイント)とアプリで業界を活性化 Webike㊦

3月上旬、二輪車用品のEコマース最大手「Webike」を運営するリバークレインは、“オートバイに関するあらゆるサービスを提供する”をテーマに、二輪車販売店向けの説明会をオンラインで開催。前回は、同社の信濃孝喜社長にサービスの詳細を聞いたが、今回は二輪車販売店の営業を担当する土井英幸氏からさらに詳細を伺った。一方、販売店向けに刷新したシステムについても詳しく聞いた。

(株)リバークレイン モト・コミュニケーション事業部 マネージャー 土井英幸氏

オンラインの説明会で発表する土井氏

──前回はWebikeポイントを使った取り組みと、スマートフォンのWebikeアプリを使った二輪車業界活性化について伺いました。また、販売店で車両を購入すると、一般会員に「納車お祝いポイント」を付与するサービスを提供中であることも伺いました。いずれも二輪車販売店が中心になっています。

「国内メーカーの販売店様はもちろんですが、特に輸入二輪メーカーの販売店様が、納車お祝いポイントと店頭でWebikeポイントが利用できる『Webikeパートナーストアネットワーク』の両方を積極的に導入いただいております。Webikeのトップページから『Webikeバイク選び』を経由して車両を購入すると、販売店様で使えるポイント(最大で1万5000ポイント)を一般会員に提供しているのですが、初回点検費用をポイントで使えるという案内をしております。そうすることで、リピートを促すことにもなりますし、前述の輸入二輪メーカーの店舗だと、もの凄い数のアクセサリーが店頭に並んでいるので、そうした用品の購入にも利用してもらっています。上手に活用していただいているのは、新車中心の販売店様が多いです。

また、これまでポイント申請は『会員様から販売店へ申請してください』と、お願いをしていたのですが、販売店様から会員に案内していただく方式に変えていただきました。販売店のオーナーからも『ユーザーにとっては、ポイントがもらえれば当然嬉しいけど、ウチにとってもバイクを売りやすくなる』と言われました。Webikeにとっても、ポイントを提供した会員は必ず何らかの形でWebikeを利用していただけるので、買い手よし、売り手よし、Webikeによしの“三方よし”が、出来ているのです。

こうしたポイントを使った販売店様の取り組みが、大きく拡がるようになったきっかけはAJ愛知さんです。愛知県では家業で販売店を営む所が多くて、ちょうど世代交代で40~50歳代の人たちが経営者として凄く頑張られていて、Webikeが販売店様向けに進めたサービス全般を後押ししてくださったのです。あと、MFDドッカーズ様(㈱ワースワイル=東京都江戸川/岡本章弘代表取締役)が、サービス開始初期から利用していただいたのも影響力が大きかったです。

実際にサービスを始めた販売店様がすごく増えて、Webikeポイントの動きも急に広まりましたね。そこから関東一円の販売店様にも広まって、静岡県でもひいきにしていただくようになりました。経営者同士の口コミも大きいと思います。

一方、『Webikeバイク選び』と『バイクショップNAVI』に加盟する販売店様には『ショップマネージャー』という在庫車両と販売店の情報を管理するツールを使っていただいていますが、自社のお客様向けに店頭でのPOPや資料を印刷・配布できる機能もショップマネージャーに全部盛り込んで使いやすいようにしたんです。その機能を盛り込んだことで、販売店様の認知が飛躍的に伸びたのです。

──オンラインでの説明会では、販売店向けに刷新したシステムにも言及していました。利便性の高いアップデートになるのでしょうか。

「販売店様の中には売上げや在庫管理など、非常に古いソフトウエア(ツール)を使っている所もあり、それも四輪業界で使われていたツールをそのまま使っているような販売店様も見受けられました。また、各二輪メーカーでツールを揃える必要もあり、そうしたツールが最新のCRM(顧客管理システム)として連動・機能しているのは、大きな販売店様だけだと思います。

今回の説明会では、ショップマネージャーを便利で使いやすくアップデートしたことをアナウンスしました。実際に販売営業や整備のほか、保険業務まで1人で行っている所も少なくないので、売上げや在庫、顧客管理の情報を全て手入力で作業を行うのは大変だということも認識しております。ツールを導入することで作業効率を向上させることが可能です。

また、最近の傾向として細かい作業をキチンとお客様に提示することで、しっかり売上げを計上できるようになったという声もいただいています。逆に言えばサービスの詳細を明示することで、お客様も理解しやすくなると思います。そうした“明朗会計”もツールを導入することで得られる利点です。今回のアップデートでも、請求項目の明細データを自動で数多く選択できるようにしました。しっかりした工賃の明示は、これからの販売店様の取り組みとして重要になってくると思います。

ツール導入で多忙な販売店の業務を効率化

一方、会計処理についてですが現在、基本料金が無料の会計ツールが広く使われておりますが、その会計ツールと連携させる方向で計画しております。販売店様からも『Webikeで仕入れた商品をそのまま帳簿に取り込む機能を作って欲しい』という声もいただいております。WebikeはIT(情報技術)に強みがあるので、そこのサービスを充実させていきます。実際に販売店様から様々な要望が出てくると認識しておりますので、柔軟に対応していきたいと思います。紹介したツールは基本となる機能は無料ですが、一部の追加機能については有料で提供していきます。

今回アップデートされた「ショップマネージャー」の一画面

ところで、近年販売店様を訪問していると、新規のユーザーがすごく増えたと感じます。また、そうしたユーザーは、購入した店舗でカスタムもメンテナンスもほぼ全てお願いする人たちが多いと感じています。もちろん、自分で手がけるユーザーの比率はまだまだ多いのですが、新規ユーザーへの対応は今後も注力すべきだと思います。

直近ではコロナ禍で新車を購入したユーザーが、最初の車検を受ける機会が増え、買い替えやカスタムの機会が出てくることが予想されます。そうした状況でこそWebikeポイントを利用していただきたいです。

信濃(社長)が説明した、WebikeポイントとWebikeアプリを使ってバイク業界を活性化していく取り組みは、販売店様があってこそ実現できるものです。今回の説明会はそうしたタイミングもあって、オンラインで開催させていただきました。今後もバイクユーザーはもちろん、販売店様を応援し、バイク業界に特化したビジネスを続けていきます」 (終わり)

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