プーチン氏、「西側攻撃のため武器提供」を警告 各国のウクライナ武器供与に反発

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日、西側諸国の攻撃を目的に、他国に武器を供給する可能性を示唆した。

プーチン大統領は外国の記者団を前に、西側諸国がウクライナに長距離兵器を供与していることを批判。また、アメリカを含む複数の国が、自国の武器を使ってウクライナがロシア領内の標的を攻撃することを許可した件にも言及し、こうした動きは「非常に深刻な問題」を引き起こすと述べた。

「ロシアの領土を攻撃し問題を起こすために、紛争地帯にそうした武器を供給できると考える者がいるのなら、その国々の重要施設を攻撃できる地域に同等の武器を供給する権利が、我々にもあるのではないか」

「つまり、対応が非対称になり得る。これについては検討する」

プーチン氏は、どの国への武器提供があり得るかについては明言しなかった。

その一方、プーチン大統領はドイツを名指しで批判した。ドイツ政府報道官は5月31日に、ロシアの攻撃に対する自衛権がウクライナにはあることをドイツ政府は「確信」していると述べ、「そのためには我々が提供したものを含め、自衛のために提供された兵器を、国際法の義務に従いながら、ウクライナは使用することが可能だ」と発言した。

これについてプーチン氏は、「ロシア領内の標的を攻撃するミサイルが増えると言うのは、ロシアとドイツの関係を決定的に破壊するものだ」と反発した。

アメリカのジョー・バイデン大統領も、同国が供与した兵器でウクライナがロシア国内の標的を攻撃することを限定的に認めた。ただし、標的は北東部ハルキウ州周辺に限るという。ホワイトハウスはまた、ウクライナはロシアに対し、長距離攻撃が可能な陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)を使用することはできないとしている。

アメリカのマイク・ラウンズ連邦上院議員(共和党、サウスダコタ州選出)と匿名の西側当局者はAP通信に対し手5日、ウクライナはここ数日、ロシア国内攻撃にアメリカの武器をすでに使用していると述べた。

ウクライナ北部の国境を越える攻勢をロシアが5月10日から開始して以来、ウクライナ第2の都市ハルキウの北東では激しい戦闘が続いている。ハルキウはロシアとの国境から、わずか30キロしか離れていない。

イギリスのデイヴィッド・キャメロン外相は、イギリス提供の兵器をどう使うかはウクライナ次第だと述べ、ロシア領内の標的を攻撃する権利があると述べた

ウクライナは、北朝鮮のミサイルがウクライナ領内で使用されていると主張している。西側の情報機関は、ロシアがこの紛争でイラン製のドローン(無人機)を使用していると指摘している。

(英語記事 Putin warns Russia could provide weapons to strike West

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