AIエンジンで低解像映像も4K変換する、LG有機ELテレビ「C4」「B4」

by 阿部邦弘

83型「OLED83C4PJB」

LGエレクトロニクス・ジャパンは、ディープラーニングアルゴリズムを強化した最新AIプロセッサ搭載の「OLED C4」「OLED B4」シリーズを発表した。最大83型を含む、全6サイズ展開。価格はオープンプライス。ラインナップと店頭予想価格、直販価格は以下の通り。

「OLED C4」シリーズ (OLED evoパネル)
・83型「OLED83C4PJA」 99万円前後 6月26日発売
・77型「OLED77C4PJB」 74.8万円前後 同上
・65型「OLED65C4PJB」 49.5万円前後 同上
・55型「OLED55C4PJB」 36.3万円前後 同上
・48型「OLED48C4PJA」 30.8万円前後 同上
・42型「OLED42C4PJA」 29.7万円前後 同上

「OLED B4」シリーズ
・77型「OLED77B4PJA」 直販64.9万円 発売中
・65型「OLED65B4PJA」 直販44万円 同上
・55型「OLED55B4PJA」 直販33万円 同上
・48型「OLED48B4PJA」 直販27.5万円 同上

昨年7月に発売したハイグレード「OLED C3」、スタンダード「OLED B3」シリーズの後継機。2024年モデルでは、パネル、およびAIプロセッサの進化により画質性能が向上。C4シリーズでは、高リフレッシュレートのゲーム映像をなめらかに表示する4K/144Hz入力信号もサポートした。

77型「OLED77B4PJB」

C4とB4の主な違いは、パネルとAIプロセッサのグレード、4K/144Hzのサポート有無など。

同時発表のフラッグシップ4K有機EL「OLED G4」や、4KミニLED液晶「QNED90T」シリーズは別記事を参照のこと。

C4/B4シリーズの高画質化機能

C4/B4シリーズともに、4K/3,840×2,160ピクセルの有機ELパネルを採用。C4は、より高輝度なOLED evoパネルとなっている(MLA-OLEDパネルは最上位G4のみ)。なお、搭載する処理エンジンは、C4が「α9 G7 AI Processor 4K」で、B4が「α8 AI Processor 4K」。

65型「OLED65C4PJB」

高画質技術として、ディープラーニングを用いた超解像「AIスーパーアップスケーリング」を搭載。低解像度の映像を高精細な4K画質に変換する技術で、世界中のさまざまな映像データを学習したAIが、映像の解像度や画質を判別。より正確なノイズ除去を目指した。C4の場合はフレーム単位超解像+被写体の表情強化、B4の場合はフレーム単位の超解像を行なっているという。

また、映像内の人物の顔や体、車や動物などといったオブジェクト、前景・背景を判別してくっきり立体的に再現する「オブジェクト型リアルタイム映像処理」、HDR映像を1フレームごとに丁寧に処理する「OLEDダイナミックトーンマッピングプロ」も搭載している。

65型「OLED65B4PJB」

'23年モデルで初搭載された、お手軽画質調整「パーソナルピクチャーウィザード」も搭載する。専門的な知識や難しい調整を行なうことなく、表示された絵の中から好きな絵を数回選ぶだけで、約8,500万通りのパターンから、AIがユーザー好みの画に切り替えてくれる。

「自動ジャンル選択/シーン検出」は、映像コンテンツにあわせて自動で映像を最適化するもの。コンテンツはスタンダード・シネマ・スポーツ・アニメから、そしてシーンはスタンダード・夜景・街並み・自然から判別し、それぞれにあった画質に最適化する。

また「AI輝度」は、昼間など明るい部屋で視聴する際、黒い部分がつぶれて見える暗いシーンでも、AIが暗部の輝度を最適化する機能。映像全体の輝度を調整するのではなく、明るさが必要な部分のみを細かく忠実に調整するようになっているという。

対応するHDR規格は、HDR10、HLG、Dolby Vision。モードとしては、フレーム補完機能をオフにして、製作者の意図通りの画質を再現する「FILMMAKER MODE」も搭載した。

リモコン

C4/B4シリーズの高音質化・ゲーム機能

音声面では、サウンドのトーンを補正して音の輪郭の明瞭度をクリアにすることで、音が画面から聞こえてくるように調整してくれる「AIクリアサウンド」、人間の受聴感度を補正して全体的なサウンドのバランスを向上させる「オートバランスコントロール」、コンテンツに応じてサウンドを最適化する「アダプティブサウンドコントロール」、放送/ネット動画など映像を切り替えても音量を一定にキープしてくれる「オートボリュームレベリング」などを引き続き搭載。

付属のマジックリモコンを使って音場調整を行なう「オートサウンドチューニング」、2chのオーディオも、AIによってバーチャル9.1.2chの立体サウンドに変換し空間的なサラウンド効果を生み出す「バーチャルサウンド」機能も備えている。

C4シリーズのスタンド
側面
天面

ゲーム機能としては、C4が4K/144Hz、B4が4K/120Hz信号をサポート。HDMI 2.1機能のVRRやALLM、eARC、QMSなども利用できる。

専用GUIの「ゲームオプティマイザ」
OLED C4シリーズは、4K/144Hzをサポートする

FPS/RPG/RTS/スタンダードの4ジャンルに応じて映像を最適化する「ゲームジャンル設定」や専用GUI「ゲームダッシュボード/ゲームオプティマイザ」、パソコンとテレビのリフレッシュレートを同期させることでゲームの映像で発生するズレやカクつきを抑える「NVIDIA G-SYNC Compatible」と「AMD FreeSync Premium テクノロジー」もサポートする。

B4シリーズのスタンド
側面
天面

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