外出時は「フル装備」 中国で日焼け対策市場盛況

外出時は「フル装備」 中国で日焼け対策市場盛況

日焼け防止服や日傘で直射日光を避けながら前門大街を歩く観光客。(2023年7月6日撮影、北京=新華社記者/鞠煥宗)

 【新華社北京6月6日】夏になると気になるのが、強い日差しによる日焼けや肌へのダメージ。中国でも日傘にサンバイザー、サングラス、マスク、日焼け防止服の「フル装備」で出かける人の姿が増え、関連製品の売り上げも一気に高まっている。

 通販おすすめサイト「什麼値得買」で美容業界を担当する楊雪婕(よう・せつしょう)さんによると、5月下旬から6月にかけての通販商戦「6.18セール」では今年、明らかな季節性が見られ、パーソナルケア・美容用品のカテゴリーでは日焼け止めがよく売れている。婦人服のカテゴリーでは、5月20日に販促が始まってから最初の4時間、売り上げトップ5を日焼け防止服が独占した。

外出時は「フル装備」 中国で日焼け対策市場盛況

帽子と日焼け止めマスクで紫外線対策をし、天壇公園で遊ぶ親子連れ。(2023年6月23日撮影、北京=新華社記者/鞠煥宗)

 中国では近年、インターネットの影響で「光老化」を知る人が増え、日焼け対策への意識が高まっている。大手調査会社の艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)のデータでは、中国の日焼け止め化粧品市場は2023年、148億元(1元=約22円)と前年比12.3%拡大した。

 中日友好医院皮膚科の李承旭(り・しょうきょく)医師によると、皮膚の老化には内因性老化と外因性老化がある。「光老化」は外因性老化を指し、紫外線(UV)を浴びることによる慢性的なダメージが皮膚の老化を引き起こす。光老化を防ぐには「帽子や傘などの対策グッズに加え、適切な日焼け止め剤を選ぶ必要がある」という。

 市販されている日焼け対策製品は、日焼け止めクリームやスプレーなどの「ソフト」な製品と、日焼け防止の衣料や帽子、マスクなどの「ハード」な製品に分かれる。性能に対する消費者のニーズはさまざまだ。中国のSNS「小紅書(RED)」で「日焼け対策」と検索すると、製品のレビューや日焼け対策の体験談など大量の投稿が見つかる。

外出時は「フル装備」 中国で日焼け対策市場盛況

日焼け対策の「フル装備」で外出する広西チワン族自治区南寧市の市民。(2022年7月14日撮影、南寧=新華社記者/周華)

 あるショッピングモールのスポーツ用品エリアでは1970年代生まれの李さん(男性)が日焼け対策グッズを探していた。アウトドアスポーツが好きで、ランニングやサイクリングをし、時には山にも登るが、「太陽を直接浴びるのがきつい」。アウトドアシーンに適した商品を見つけるには、SPF(サンケア指数)が高いこと、生地が軽くて薄いこと、防水性があることなどがポイントになると話してくれた。

 60年代生まれの朱さん(女性)にも話を聞いた。すでに退職し、自由な時間がたくさんあるので、よく外に遊びに行く。「夏の『フル装備』は蒸し暑く、写真写りも良くない」。日焼け対策のアイテムとしては、ひんやりとした着心地の「アイスシルク」と呼ばれる化学繊維の衣料品や美白効果のある日焼け止めクリームがお気に入りだ。

 業界関係者は、日焼け対策の需要は性別や年齢層を問わず、男性用製品の市場の活力も徐々に高まっていると指摘。旅行やアウトドアスポーツなどのシーンの広がりに合わせ、企業は普段の外出時に用いられる製品に加え、さまざまなターゲットやシーンのより細かいニーズに応えた製品を発売している。消費者の多様化とニーズの洗練で、日焼け対策市場の規模はさらに拡大するとみられる。(記者/李卓璠)

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