イスラエルが国連運営の学校を空爆、数十人死亡と地元住民

イスラエル軍が、パレスチナ自治区ガザ地区の中心部で、数百人の避難民が集まっていた国連が運営する学校を空爆し、20人以上が死亡した。地元当局が6日、明らかにした。

イスラエル軍は、「ハマスの施設」がある国連学校を空爆したと発表した。

複数の現地ジャーナリストはBBCに対し、イスラエルの戦闘機が、ヌセイラト難民キャンプにある学校の最上階の教室に、ミサイル2発を撃ち込んだと述べた。

イスラム組織ハマスのメディア対応部門は、少なくとも27人が死亡したと発表。イスラエルが「恐ろしい大量殺人」を行ったと非難した。

救急車や救助チームが、死傷者を近くの病院へ急いで搬送しているという。

ソーシャルメディアでは、破壊された教室の様子や、白布で巻かれた遺体が遺体安置所に置かれた様子などを映した映像が拡散されている。

この攻撃で負傷した女性が「戦争はもうたくさん! 私たちはもう何十回も居場所を追われてきた。寝ている子供を殺している」と叫ぶ動画もある。

ハマスのメディア部門のイスマイル・アル・サワブタ氏は、この国連学校にハマス司令部が隠されていたという主張を否定した。

「占領軍は(中略)数十人の避難民に対して行った残虐な犯罪を正当化するために、虚偽の作り話を使っている」と、同氏はロイター通信に語った。

イスラエル国防軍(IDF)は、戦闘機が「ヌセイラト地域の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校内に組み込まれたハマスの施設を、正確に攻撃」したと発表した。

また、昨年10月7日にイスラエル南部を襲撃したハマスとイスラム聖戦の「テロリスト」を殺害したと述べた。この襲撃でハマスは約1200人を殺害し、251人を人質として連れ去った。

ハマスが運営するガザ地区の保健省は、その後のイスラエルの軍事作戦で、少なくとも3万6580人が殺されたと述べている。

IDFは、今回の空爆の前に「無関係の民間人を害する危険性を低減する」ための段階を踏んだとしている。

イスラエル軍はこれに先立ち、ガザ地区中心部のデイル・アル・バラフとブレイジ難民キャンプの東側にかけた地域を「指揮統制」下においたと明らかにした。ここでも、数十人のパレスチナ人が殺害されたとの情報がある。

イスラエル軍によると、空からの援護射撃を受けた地上部隊が「地上と地下において、テロリストとテロリストのインフラ」に対する軍事作戦を実施した。

その後、部隊がブレイジ東部とデイル・アル・バラフ東部を「制圧」したと発表。この地域で「テロリストを排除」し、ロケット弾や迫撃砲の発射装置を破壊し、いくつかのトンネル坑道を発見したと付け加えた。

一方、現地住民は、激しい砲撃があったと報告。国際医療組織「国境なき医師団(MSF)」によると、4日から24時間のうちに少なくとも死者70人と負傷者300人が、現地の病院に搬送されており、そのほとんどが女性と子供だという。また、多くの人が重度のやけどや砲弾の破片による裂傷や骨折などのけがを負っているという。

(英語記事 Israeli strike on UN school in Gaza kills at least 20, locals say

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