トランプ氏の選挙介入裁判の手続きを保留、担当検事の続投めぐり=ジョージア州控訴裁

2020年米大統領選で敗北したドナルド・トランプ前大統領が、ジョージア州における選挙結果を不正に覆そうとしたとして州法違反に問われた事件で、ジョージア州の控訴裁判所は5日、裁判手続きの保留を決めた。期限は、前大統領側が交代を求めている担当検事を続投させるか決定するまでとした。

前大統領の弁護団は、フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事について、別の検事と恋愛関係にあったことで問題が生じたとして、ウィリス氏を担当から外すよう繰り返し求めていた。

この裁判を監督する判事は先月、裁判所は利益相反があったことは確認しておらず、裁判の継続を認めるとしていた。しかし、5日の決定により、ウィリス氏に対する申し立てを控訴裁判所が検討する間は裁判手続きは進められなくなった。

検事の交代をめぐっては、10月4日に口頭弁論が行われる予定で、11月の大統領選前に決着する可能性は極めて低い。

トランプ前大統領ら18人は、2020年のジョージア州での投票結果を覆そうと共謀しようとしたとして起訴された。被告人側は起訴内容を否定している。

被告人の1人が、ネイサン・ウェイド特別検察官と恋愛関係にあるウィリス検事が不当に利益を得ていると主張したことで、裁判は頓挫(とんざ)しそうになった。

ウィリス検事は2月にウェイド検事との関係を認めつつ、利益相反はなかったと主張した。

3月にはスコット・マカフィー判事が、ウィリス検事側に「重大な判断の誤り」があり、2人の関係が「不適切に見える」ことで裁判を損なったと指摘した。

ただし判事は、ウェイド検事が辞任すれば、ウィリス検事は今後も裁判を担当できると判断した。ウェイド検事は間もなく辞任した。

控訴裁は次期大統領が来年1月に就任後、来年3月までに、ウィリス検事について結論を出さなければならない。トランプ前大統領らの裁判はそれまで一時中断される。

前大統領はジョージア州での選挙結果をめぐる事件を含め、公判開始前の3件の刑事事件で起訴されている。11月の本選を前に、民主党と共和党の両陣営はこれらの裁判の行く末を注視している。

2016年大統領選をゆがめる目的で不倫相手に支払った口止め料について、事業記録を改ざんしたとニューヨーク州で起訴された事件では、罪状34件について有罪評決が下された。

(英語記事 Trump's Georgia election fraud case delayed for months

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社