『菊田一夫演劇大賞』受賞の石丸幹二&安蘭けい&井上芳雄が賞金争奪戦!?三浦宏規、前田美波里は舞台上で生き抜く決意を語る

『第四十九回 菊田一夫演劇賞』授賞式が6月6日に都内で開催され、石丸幹二さんや安蘭けいさん、井上芳雄さんら演劇界のスター一堂に会し、受賞の喜びを語りました。

【写真15枚】石丸幹二、安蘭けい、井上芳雄、三浦宏規らが登場『菊田一夫演劇賞』授賞式

安蘭けい 賞金100万円を「どう分けるかがこれからの課題(笑)」

『菊田一夫演劇大賞』を受賞したのは、20世紀初頭のアメリカ・ニューヨークを舞台に、ユダヤ人、黒人、白人、それぞれのルーツをもつ3つの家族が固い絆で結ばれ、差別や偏見に満ちた世界を変えていこうとする姿を描いたミュージカル『ラグタイム』。

授賞式にはカンパニーを代表し、石丸さん、安蘭さん、井上さんが登壇しました。

石丸さんは「四半世紀前にニューヨークでこの作品を観たときに衝撃をうけ、いつか日本でも上演できる日がきたらいいなと淡い思いをもっていました」と回想。

続けて、「人種の問題をどう乗り越えるか。そして、難解な音楽をどうやって歌いきるか、課題が山積した状態で稽古が始まりましたが、演出の藤田俊太郎さんをはじめ、スタッフの皆様の知恵、アイデアが稽古場でどんどん練り上がっていき、大賞をいただける形になるまで仕上げてまいりました。この受賞を心からうれしく思う」と喜びをにじませました。

共演の安蘭さんは賞金額が100万円と告げられると、明らかに動揺の表情を浮かべ、隣りの井上さんとどちらが先に挨拶をするのかコントのようなやりとりを披露し、会場を笑わせる一幕も。

マイクを奪い取った井上さんは「先ほどいただいた賞金にボーッとなっているんですけど(笑)、どういうふうに分けるかこれから話し合いたい」とニヤリ。

そして、「この作品を日本で上演するにはたくさんの課題があったんですけど、それをみんなの力で乗り越えて、結果、日本人、アジア人だからできる表現でお客様に作品をお届けできたことを誇りに思う」と真剣に語りました。

安蘭さんは「演出家、演者、スタッフさん、みんなの力で素晴らしいものにできた」と振り返り、「この作品を愛してくださったお客様がたくさんいらっしゃったんだなとうれしく思います。とても素晴らしい賞をいただき、賞金もいただき、これをどうやって分けようかなというのがこれからの課題」と笑わせました。

三浦宏規 本番1時間前に出席! 三浦宏規 本番1時間前に出席!「13時から公演が…」

『菊田一夫演劇賞』は柿澤勇人さん、宮澤エマさん、三浦宏規さん、演出家のウォーリー木下さんが受賞。

柿澤さんは「『スクールオブロック』そして、『オデッサ』に関わったすべての方々、応援してくださった皆様、本当にありがとうございます」と感謝し、「人間、がむしゃらに一生懸命、誠実に頑張れば報われるんだなというのが今の正直な思いです」と感無量といった表情。

艶やかな振袖で登壇した宮澤さんは「2023年は初舞台からちょうど10年目の年で、ご縁と作品、そして、カンパニーのおかげで今の私があるんだとひしひしと感じる、恵まれた10年でした」とコメント。

「その10年前の作品では柿澤くんと一緒で、昨年、共演したときに『(デビューから)10年経ったけれど、私たちは演劇賞にまったく縁がないね』と話していたら、こんなに素晴らしい賞をいただくことができたので本当にうれしい」とスマイル。

三浦さんは「『千と千尋の神隠し』、『赤と黒』、『のだめカンタービレ』といずれの作品も日本初演、もしくは新作公演で、大変なことが多い作品でしたが、各カンパニーのすべての皆様に感謝したい」とコメント。

そして、「僕には死ぬその日まで舞台に立っていたいという夢があります。ですので、その場を作っていけるように、これからも精進していきたい」と意欲をのぞかせつつ、約1時間後に迫ったミュージカル出演のため、恐縮しながら会場を後にしました。

前田美波里 「私に声をかけて」 前田美波里 壇上から「私に声をかけて」と逆オファー

ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』や『町田くんの世界』の演出を手がけたウォーリーさんは「30年ほど前に関西で劇団を旗揚げし、楽しいからという理由だけでやってきましたが、これからも好きな演劇やミュージカルを作っていきたい」と挨拶。

そして、「賞金の使い道について家族で話し合い、昨日ようやく子犬を飼うことに決まりました。今日、菊田一夫先生のお写真を拝見したら子犬と顔が似ているので(笑)、『菊ちゃん』という名前になる可能性があります。うちに来たときは可愛がってあげてください」と呼びかけました。

最後は『菊田一夫演劇賞特別賞』受賞の前田美波里さんが登壇。「皆さんが作品の思い出を語っていらっしゃるので、私は菊田先生の思い出をお話したい」と15歳当時のエピソードを回想。

「『先生が10年やって1年生だと思わなくちゃ、舞台はやっていけないよ』とおっしゃっていましたが、私は今年芸歴がちょうど60年で、やっと6年生なんです」と報告。

そして「せっかく素晴らしい賞をいただけたのでせめてあと20年頑張って生きたい。今日は演出家の方たちもたくさんいらっしゃいますので、私に声をかけてくださいませ。舞台の上で私も死にたいです」と生涯現役であることを主張し、最後は菊田さんの写真に向かって「すごくうれしい賞をいただきました」と満面の笑みを浮かべました。

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