池上季実子「1か月で13人の男性のゴシップを 週刊誌に書かれたりしました(笑)」恋多き女と言われた過去と現在のプライベート

今年でデビュー50周年を迎える池上季実子。数多くの映画やドラマで活躍し、「イイ女」の代名詞だった彼女が、最新映画では髪を脱色し、体重を増やして田舎のおばあちゃんに大変身! その役作りへの情熱、これまで出演した名作の裏話など貴重な話を聞いた。池上季実子の「THE CHANGE」とはーー。

ーー今年でデビュー50周年。振り返ってみていかがですか?

「あっという間でしたね。でも、50年というとやっぱり感慨深いものがあります」

ーー20代の頃は〝恋多き女〟って言われたこともありましたね。

「ね。今思えばホント、お疲れ様、ありがとうって感じよね。だって、弟と歩いてただけでスキャンダル記事にされたんですよ」

ーー弟さん⁉

「後で知らされたんですけど、映画『陽暉楼』(84年)の話題作りのためにってことらしいです。そういう時代だったんですね。 私、1か月で13人もの男性の名前を週刊誌に書かれたんです。それで、その13人目が弟。オフの日に渋谷で弟と映画を観ての帰りに突然撮られて」

ーー弟さんの反応は?

「これまでは雑誌の記事を見て、“姉さん、やるな~〟って思っていたけど、今度のことで姉さんが全部噓だって言っていたのが、真実だと分かったよ”って」

ーーすごい時代……。

「ホント、すごい時代でしたよ。なにせその13人の男性の中には私が1回も会ったことすらない俳優の方の名前もあったくらい。記事によると彼とは六本木のお店で密会をしていたそうで。後年、その俳優さんと番組で共演することになって、会った瞬間、2人同時に、“あの……お会いするの、初めてですよね”って。 私、当時付き合っていた彼がいたんです。なのに、そんな記事ばかり書かれるんで、頭に来たこともあって、その彼と結婚したんです」

ーー結婚は勢いが大事だ、なんてよく言いますが……。

「マスコミが”恋多き女”なんて書かなかったら結婚しなかったかもしれないですよね」

役者と恋愛はできないかな…

ーーそんな池上さんですが、お仕事のキャリアは順調に積まれ、現在65歳です。

「『風の奏の君へ』は、『太陽を盗んだ男』や『陽暉楼』なんかに比べたら地味で刺激のない映画ですよね。でも、心が温かくなるし、映像が美しいですよね。 私的には、こうした、今までの経験を生かせて、尊敬の思いで取り組める作品なら、どんな役でもやっていきたいです」

ーー 現在は独身ですが、プライベートはどうですか。

「プライベートは何もないかな~。コロナ禍の後は、ゴルフも釣りも行かなくなったし。オフは何もしないで、ただ家にいるだけですね」

ーー恋とかは?

「いや~どうでしょう。そんなエネルギーはないかなぁ。残念ながら……。誰かいませんかね(笑)。 でも、付き合うとしたら役者は嫌だな~。だって、いい関係のときはいいけど、別れてから現場で会ったら、なんか気まずいじゃない? 私は仕事だからって、割り切れるけど、男の人は嫌なんじゃないかな……。どうですか?」

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NHKの少年ドラマでデビューし、文芸大作、トレンディドラマ、ミステリーなど、時代と共に、新境地を開拓。俳優としての輝きを増していく池上さん。これからどんな役を演じて私たちを驚かせてくれるのか、楽しみです。

池上季実子(いけがみ・きみこ)
1959年1月16日、アメリカ・ニューヨーク州生まれ。O型。T157。3歳で帰国し、小学校卒業までは京都に住んだのちに東京に転居。1974年、テレビドラマ『まぼろしのペンフレンド』(NHK)でデビュー。以降、多くの映画、ドラマ、舞台で活躍。『陽暉楼』(84年)で第7回日本アカデミー賞主演女優賞、『華の乱』(89年)で第12回日本アカデミー賞助演女優賞受賞。

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