AIが救う!発注・在庫の問題 「ベテラン社員の勘」から「需要予測AI」活用でコスト削減へ/青森・五所川原市

「DX」と「ダンボール」の話題です。デジタル技術の活用で、ビジネスに変革を。青森県の事業を活用して課題解決に取り組む会社を取材しました。

青森県五所川原市で、ダンボール製品の製造・販売を行う森羽紙業には悩みがありました。

【森羽紙業 長谷川通社長】
「(リンゴのケース)今注文が入りました。お客さんが今欲しいといった時に今電話もらって、あした納めるほどを作るということはできないので、ある程度予測して倉庫の中に入れておくのですよ。ただお客さんがいっぱいいるので、全部在庫で置いておけるわけではないし、在庫で置くということはコスト高になる」

これまでの受注発注は、ベテラン社員たちの経験と勘。過剰に在庫を抱えたり、配送するための車を余計に手配してしまうこともあったということです。

その課題を解決するべく、県のDX先行モデル創出支援事業を活用しタッグを組んだNTT東日本青森支店が開発したのが・・・。

【NTT東日本青森支店ビジネスイノベーション部 田中直樹グループ長】
「このAI技術を使って、将来の予測をするというようなシステムになります」

「需要予測AI」は、まず、過去8年間の受注の実績、消費地・産地の市況、天候のデータを学習します。さらに、同じ項目の最新データも追加。

そうすることで、7日先まで、顧客から来る注文を「需要予測AI」が予測するのです。なんと、飛び込みでの受注も見込んだ数を指示し、予測値に基づいて製造指示と運送会社との調整を行います。

システムの導入により、人件費や配送費、倉庫費用で830万円の削減につながりました。

【森羽紙業 長谷川通社長】
「倉庫の中に在庫がいっぱいあると、ダンボールってたたんでいますよね」
「たまに間違うのですよ。在庫の量が少ないと、そういう間違いの量も減るので、探すのも短時間でできるし、そういう意味で楽ですし。後はトラック」
「トラックが待機しているじゃないですか、この待機時間も減らすことができるのですよね」

トラックドライバーの負担軽減により、2024年問題の解消にも期待ができるこのシステム。NTT東日本は普及に前向きです。

【NTT東日本青森支店ビジネスイノベーション部 田中直樹グループ長】
「AIの予測をしていくということは、今回の製造業のみならず、ほかの業界でも活用できると思っています」
「業界の垣根を越えて、こういったAIの予測というのは使えると思っておりますので、ぜひともこういったもので県内事業者のDXの貢献に努めていきたいと思っています」

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