高齢者だけじゃない!特殊詐欺の被害 近年急増する「SNS型ロマンス詐欺」の手口は

「特殊詐欺」の話題です。2024年も被害が相次ぐ中、高齢者だけではなくあらゆる世代に広がっている手口を取材しました。

【青森県警察本部生活安全部 櫻田道夫管理官】
「今県内では、いわゆる特殊詐欺の発生もありますが、SNS型投資・ロマンス詐欺に分類されるものが多く発生しております」

5月末時点での、青森県内の特殊詐欺の被害金額です。年間の被害金額が過去2番目となった2023年を2600万円余り上回るおよそ1億1364万円。このうちSNS型の投資詐欺は、10件、8846万円余りと、8割近くを占めています。

そもそも「SNS型」とは、インスタグラムやフェイスブックの広告などをきっかけにやり取りを重ねて信用させ、投資を勧める手口です。被害額が増加している要因を、県警察本部はこのように分析します。

【青森県警生活安全部 櫻田道夫管理官】
「現在は手口がさらに悪質・巧妙化しており、犯人が対象とするものが高齢者はもとより、あらゆる世代の人に広がっているため増えていると思われます」

悪質・巧妙化している「SNS型投資詐欺」、その手口とは。

【青森県警生活安全部 櫻田道夫管理官】
「投資詐欺は、犯人が有名な投資家や経済評論家などの名を語り、投資を勧め、ダウンロードさせた投資用アプリ上で利益が出ているように見せかけるなど手口がものすごく巧妙化しています」

さらに、「SNS型」で近年急増している詐欺の手口が。

『2人の将来のためにお金を稼ごう』

「SNS型ロマンス詐欺」です。

SNSを通じて出会った人と会話を重ね、恋愛感情を持たせて信用させ、お金をだまし取る手口です。そこに並ぶ文言は。

『会いたい。愛している』

『いつか2人で旅行に行こう』

『好きだ。結婚したい』

被害者の離婚経験や、親の介護といった境遇などを聞き取り、親身になって甘い言葉をかけていきます。

【青森県警生活安全部 櫻田道夫管理官】
「言葉巧みにその人の環境や境遇に合わせて言葉を使って相手を信用させて、恋愛感情や好意の感情を抱かせるという手口です」

まるで本当に恋愛をしているかのように錯覚させます。長い時間を掛け、ゆっくり信頼関係を作り、自然な流れでお金の話に持っていくのが特徴だということです。

SNS型ロマンス詐欺は、近年相次いでいることなどを背景に2024年から統計を取り始めました。県内では11件、被害金額は既に5980万円余りとなっています。

県警察本部は「自分は大丈夫だろう」とは思わず、次のことを意識してほしいと言います。

【青森県警生活安全部 櫻田道夫管理官】
「お金を振り込ませようという話が出た場合は、1人で抱え込んだり、判断せず、1度立ち止まり、家族や友人に相談したり、警察に相談してから対応するようにしていただきたいと思います」

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