世界最恐タヒチの波に挑む!サーフィン・稲葉玲王選手 11歳で単身ハワイへ…巨大な波で恐怖が自信に【メダルへの道】

2024年7月26日に開会式が行われるパリオリンピックのメダル候補を紹介する「メダルへの道」。今回は、11歳で武者修行のためハワイへ渡ったサーフィンのパリオリンピック代表・稲葉玲王選手。10代の時に恐怖を植え付けられた“世界最恐”のタヒチの波に挑む稲葉選手の思いに迫ります。

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稲葉玲王選手 13歳で史上最年少でプロサーファーデビュー

「重さはありますね。国旗を背負うっていう」と、国旗の重みを感じていたのは、大きなしぶきを上げるダイナミックなパフォーマンスを武器に国内外の大会で好成績を遺してきたサーフィンのパリオリンピック代表・稲葉玲王選手。

日本有数のサーフスポットとして知られる千葉県一宮町で生まれた稲葉選手はプロサーファーである父の影響で5歳からサーフィンを始めました。

しかし、当時は水が苦手で泳げず、泣きながら練習していたという稲葉選手。

それでも最高の環境で育った稲葉選手は、13歳の時に史上最年少でプロデビュー。
2023年のワールドゲームズで好成績を残し、パリへの切符を掴み取りました。

競技人生最大の分岐点…11歳でひとりハワイへ

そんな稲葉選手の競技人生最大の分岐点。それは…

稲葉選手:
初めて11歳ぐらいの時にハワイに行ったっていうのが自分のサーフィン人生で一番の転機というか…

11歳の少年が世界の波を経験するために決断したのは、一人でハワイに渡っての武者修行でした。

稲葉選手:
自分自身もホームシックなどですごくキツかったのですが、親も泣きながら見送っていたと聞くので、親としてもすごい決断だったと思います。そこは感謝ですね。

親子ともに大きな決断だったというハワイへの旅立ち。
当時のことを父・康宗さんはこう語ります。

父・康宗さん:
成長期の声変わりだったり、そういうのを見られなかったので、親としても悲しいことはありました。母親なんかは特に…寂しかったと思います。

稲葉選手がハワイで目の当たりにしたのは、日本とは比べものにならないほど大きな波。

稲葉選手:
世界にはこんな波があるんだという驚きというか。その大きな波を経験したことによって、世界の波に挑んだ時は恐怖心はありませんでした。小さい頃から海外に出たことはとても大きな経験だったと思います。

それでも果敢に波に挑み続けた少年は確実に成長を遂げていました。

経験によって身につけた「恐怖に負けない自信」がメダルへの道

そんな稲葉選手でも恐怖を覚えたというのが、今回パリオリンピックの舞台となるタヒチのチョープー。

7mに達することもあるという波は「世界最恐の波」と恐れられています。

稲葉選手:
タヒチに初めて行ったのが15歳の時で、その時にすごく大きな波を目の当たりにしたら…正直トラウマレベルで怖くなっちゃったんです

それでもオリンピック内定後、タヒチで合宿を行った稲葉選手は、これまで様々な国の波で練習を続けてきた経験から恐怖は自信へと変わっていました。

稲葉選手:
タヒチは気合いですね

稲葉選手:
少しでも恐怖心があると波に乗れたとしてもそれがミスに繋がったりするので、覚悟を決めて、気合いを入れて臨みたいと思います。

稲葉選手には夢があるといいます。

稲葉選手:
一生 自分の中で記憶に残るような1本の波に乗る
オリンピックでその波に乗れたら、サーフィン辞めてもいいかなっていうくらい
これ以上ないことだと思うので、注目して見てほしいですね

経験によって身につけた「恐怖に負けない自信」
これが稲葉選手の「メダルへの道」です。

(『めざましテレビ』 2024年6月5日より)

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