ビンタ祭り、全裸強要、池で泳げ…消防署でパワハラ累々 福島・相馬広域消防の第三者委が調査公表

管内で悪質なパワハラ行為が発覚した相馬地方広域消防本部=福島県南相馬市原町区

 相馬地方広域消防本部(福島県南相馬市)の消防署などでのパワーハラスメント問題を調べている第三者委員会(委員長・安村誠司福島県立医大教授)は6日、消防職員の宴会で「裸になって池を泳ぐことを強要された」など極めて不適切な行為があったことを明らかにした。パワハラに厳しく対応しなかった組織としての問題点も指摘し、早急に実効性のある改善策を検討するよう求めた。

 
 数々のパワハラ行為は、今年2月に第三者委が行ったアンケートで判明した。全消防職員150人のうち127人が回答した。
 酒席での先輩職員からのパワハラを訴えるケースが目立ち、「一気飲みや全裸の強要があった」「急に(互いに顔をたたき合う)『ビンタ祭り』が始まった」「バーベキューの席上で裸にしたり、汚い貯水池のような所に入らせたりした」との回答が寄せられた。
 第三者委によると、酒席での行為はおおむね6年以上前でパワハラとして個別に認定することが難しいが「後輩職員の財産権や人格権を侵害する不法行為」と強く批判する。
 組織のパワハラ対応についても①懲戒審査会に諮るべき行為に関し、トップの消防長が厳重注意で済ませていた例がある②パソコン管理がずさんで、ハラスメント調査記録が加害者側の職員に「流出」していた―などの問題点を挙げた。
 相馬地方広域消防本部は福島県の相馬市、南相馬市と新地町、飯舘村がエリア。パワハラは昨年11月に被害者からの訴えで発覚し、第三者委が調査。これまで1人が免職、3人が停職の懲戒処分を受けた。長年にわたって悪質なパワハラ行為が続いていたことが分かっており、第三者委はさらに数人を調べている。

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