齋藤潤、『9ボーダー』の現場で意外な初体験 「ここまで笑いをこらえきれなかったのは……」

毎週金曜22時よりTBS系で放送されているドラマ『9ボーダー』第7話の放送を前に、齋藤潤のインタビューコメントが公開された。

本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。

齋藤が演じるのは、3姉妹の実家おおば湯に訪ねてきた少年・品川九吾。彼女たちの弟であることが前話で明らかになった。途中参加となった齋藤は、3姉妹との共演をどう感じているのだろうか。

「すでにみなさんの関係性が完成されている中に自分が入った映像を観ると、『これで大丈夫なのかな?』と少し不安になりました。でも、九吾は3姉妹たちに反感を持っている役柄だったので、いい意味で違和感を持ちながらお芝居ができたと思います。現場はとても温かい雰囲気です。川口さんはカメラが回ってないとき、ずっと『カワイイね!』『ちゃんと食べてる?』などと言ってくださったりして、すごく可愛がっていただいています。すごくありがたいです。高橋克実さんは休憩時間に、昔の撮影現場のエピソードを教えてくれました。あとは昔の銭湯の値段とかも。いろいろお話も聞いてくださって、本当に“頼れるお父さん”みたいな方です。ほかの方たちにもとても優しく話しかけていただいているので、これから大庭家に馴染んでいけるようがんばって演じていきたいです」

クランクイン時から“居心地の良さ”を感じていたことを齋藤は明かす。

「自分ひとりだけのシーンで、まだ『9ボーダー』に出演しているという感覚はありませんでした。でも、セットでの撮影が始まり、やっとこの作品に関わっているという実感がわきました(笑)。居間のセットはとても広くて撮影のセッティングをしている間も、みなさん居間にいることが多いんです。こだわりのセットだと聞いてはいましたが、誰もがいたくなる居心地の良さというものを僕も感じました」

九吾を演じるにあたってはどんな点に共感しているのだろうか。

「九吾は今までお母さんとおばあちゃんと暮らしてきました。3年前にお母さんが亡くなってからは自分の思いを打ち明けられる人もいなくて、ずっと我慢して生きてきたんです。それに苦労してきたお母さんの思いを無駄にしてしまうと感じて、九吾は『俺はひとりで生きていく!』と決心したように思います。そういうところは男の子だなと思いましたし、九吾の気持ちがよくわかりました」

齋藤は『9ボーダー』での意外な“初めての経験”を明かす。

「収録中、初めて笑いのツボというものにハマりました(笑)。大庭家の居間でウメケンこと梅津剣(伊藤俊介)さんの顔を見るたび、笑いがこらえられなくなってしまったんです。5カットぐらいNGを出してしまい、みなさんも『がんばれ!』と応援してくださって。カメラが回るたび、笑ったカットがフラッシュバックするので『やばい、集中しなきゃ!』といったんはリセットするのですが何度も笑ってしまい、同じことを繰り返していました。OKシーンもちょっとニヤリとしていたんじゃないかな、と思います(笑)。これまでほかの作品で笑ってしまうことがあっても、1回ぐらいでリセットできたんですが……。撮影現場で、ここまで笑いをこらえきれなかったのは初めての体験です」

また、齋藤は芝居に入る前に必ず“あること”をするという。

「現場に入ってお芝居が始まる前は、事前に考え過ぎないようにして、いったん全部忘れてからお芝居をするようにしています。前日まで台本を読み込み、自分の役はこうなるんだ!ということを体に染み込ませます。でも、それを意識し過ぎると、ほかの作品でもワケがわからなくなってしまうことがありました。そのとき『現場に入ったらリセットしたほうがいいかもしれないね』とプロデューサーさんにアドバイスをいただいたんです。最近はその言葉を思い出しながら演じるようにしています」

齋藤は現在高校生。仕事との両立はどうしているのだろうか。

「テスト前はやはり勉強をしないといけないので、そこはがんばるしかないという思いでやっています。普段はどちらかというと仕事に気持ちが向いていることが多いですね(笑)。」

撮影現場にも勉強道具を持ってきているのだろうか?

「それはなくて、現場が終わってから家で勉強をするようにしています。仕事に学業を持ち込みたくないという思いもあって……」

台本を覚えるのと、勉強をするのはどちらが大変かというと……。

「勉強のほうが大変です(笑)。セリフを覚えるのが大変だと感じることは、ほとんどありません。家のソファで座りながらセリフを覚えることもあって。あとはお風呂とか、夜ベランダに出てひとりつぶやいているときもあります。歩きながら、ひとりでセリフを言っていることも多いですね(笑)」

九吾を演じるにあたっては、新井順子プロデューサーから設定資料をもらったそうだ。

「そのときに『嫌な感じのキャラクターにはしたくない』とおっしゃっていたので、意識して九吾の役作りをしています。テンポ感のある会話のシーンが多いので、とても学ばせていただくことが多いです。実際に芝居をしてみると、間の取り方も自分が想像していたものとはまったく違いますし、すごく勉強になります」

最後に、視聴者に向けて今後の見どころを語った。

「これからもっと九吾の素の顔が観られると思います。自分の思いを吐き出す九吾の表情をぜひ楽しんでいただきたいです。また、七苗さんとコウタロウさんとの関係も展開がありますので、ぜひ期待してください!」

(文=リアルサウンド編集部)

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