【速報】「スターシップ」再突入と軟着水に成功–多数のタイルとフラップを失いつつの快挙

Space Exploration Technologies(SpaceX)は日本時間6月6日夜9時50分、「Starship」の4回目の打ち上げ試験を実施した。第1段の「Super Heavy」は海上への軟着水に成功、第2段のStarship本体も機体が一部破損しながらの大気圏再突入を経て、海上への軟着水に成功した。

第1段は33基あるラプターエンジンのうち1基が停止したがStarshipは無事宇宙へ向かった

ライブ配信によると、第1段のSuper Heavyは33基搭載するラプターエンジンの1基が早々に停止したが、他のエンジンには波及せず順調に高度と速度を増した。また、第2段を点火しながら第1段を切り離すことで推力の損失を抑える「ホットステージング」にも成功した。

Starship本体を切り離したSuper Heavyは、高度を下げて海上スレスレでエンジンを噴射。計画通り軟着水に成功した。Satrshipは第1段と第2段の両方を再使用する計画で、一連の軌道打ち上げ試験では初の軟着水成功となった。

第1段のSuper Heavyはおなじみの「垂直着陸」で海上に軟着水成功

Starship本体はその後も順調に飛行し、高度約190kmの宇宙空間を巡航した。なお、途中で外部カメラからの映像が途絶える不具合があったが復旧した。

宇宙空間を巡航するStarship

機体が破損も着水に成功

打ち上げから約46分後、Starship本体は大気圏への再突入を開始。時速2万6000kmという猛スピードで進む機体が、前方の大気を圧縮することで生じるプラズマに機体が包まれた。

猛スピードの機体に前方の大気が圧縮されて超高温になることで生じるプラズマ

前回の試験では機体がすぐに不安定化したが、今回はしばらく安定していた。しかし、大気が濃くなる高度60km付近から機体の一部が破損しはじめた。それでも機体は姿勢を乱さず、大気を利用した減速を継続。打ち上げから約1時間後にオーストラリア沖へ着水した。

機体の一部(おそらくフラップ)が破壊されている様子

「多くのタイルとフラップが失われた」

ライブ配信のテレメトリ上では制御された着水に見えた。SpaceXは公式X(旧Twitter)アカウントで「着水が確認された。4回目の飛行テストを達成したチーム全員に祝福を」とコメントした。

イーロン・マスク氏は「多くのタイルが失われ、フラップが損傷したにもかかわらず、スターシップは海に軟着陸した」と投稿した。

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