清原和博氏 西武戦解説で近づいた〝本拠地凱旋〟 球団関係者は「OB戦出場をオファーしていきたい」

ヤクルト―西武戦の解説を務めた清原和博氏

西武OBの清原和博氏(56)が6日に神宮球場で行われたヤクルト戦に来場し、テレビ中継の解説を務めた。2016年2月に覚せい剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されて以降、古巣とはすっかり疎遠になっていたが、気になる今後を探ってみると――。

さすがの存在感だった。この日の一戦を中継したCS放送フジテレビONEの主音声で出演。副音声では西武時代の後輩に当たる鈴木健氏とともに解説を行い、試合前の雑談ではアナウンサーに「このフジはヤクルトびいきですか?」と〝けん制球〟を投げながら「今日はライオンズOBとしてブルーのネクタイをしてきました」と敬意を表した。

清原氏は1986年から96年までの黄金時代を4番打者として支え、8度のリーグ優勝と6度の日本一に貢献したレジェンドだ。現役引退後に道を踏み外してしまったが、その際に渡辺久信シニアディレクター(当時=現監督代行兼GM)がキャンプ地の宮崎・南郷で緊急会見を開き「本当に同時期に一緒に戦った者としては残念でしょうがない。キヨの件については数年前から(週刊誌で)うわさが出ていた。あまり見ないようにしていたし、キヨが書かれているのを見るのが嫌だった。正直に話して立ち直ってほしい」とショックを受けつつもエールを送っていたものだ。

清原氏は現場に配慮してか、グラウンドレベルに降りてくることはなかった。だが、終わってみれば、古巣の西武はヤクルトに1―3で敗戦。今季6度目の4連敗を喫し、借金はワースト「18」となった。そんな中、解説では最下位に沈む古巣を気遣うコメントを随所にちりばめていた。

こうなると気になるのは清原氏と西武との今後の関係性だ。ただ、複数の関係者によるとコンプライアンスに敏感な西武にあっては、清原氏が監督などの指導者として復帰する可能性は限りなくゼロに等しいという。だが、別の形で本拠地に〝凱旋〟することも前のめりに検討されている。それが今年3月に球団史上初めて開催されたOB戦への出場だ。球団関係者の一人がこう明かした。

「呼びたかったのはヤマヤマですが、今回のチケット販売の盛況ぶりを見ると清原氏なしでも十分な話題性があった。結果的に松坂、清原というカードを温存して次回以降の目玉ができる格好になった。今後、プロ野球の現場で着実にステップを踏みながら次回以降のOB戦ではぜひ出場をオファーしていきたい」

今回のイベントでは早々とチケットが完売。当日は2万7795人(主催者発表)もの観衆でベルーナドームが埋め尽くされ、黄金時代を彩ったプレーヤーたちの一挙一動に大声援が送られた。次回の開催時期は未定というが、いずれ清原氏の雄姿が再び見られるかもしれない。

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