中日本高速道路/東名・菅ケ谷高架橋リニューアル現場を公開、静岡県内初の半断面施工

中日本高速道路会社は6日、静岡県袋井市内で進めている東名高速道路の「菅ケ谷高架橋床版取換工事」の現場を報道関係者に公開した。車線規制しない半断面施工によるリニューアル工事で、静岡県内では初めて。路肩を活用し車線をシフトさせることで切り替え時以外、4車線を確保したまま工事を進めている。施工は清水建設・日本ファブテックJVが担当している。
工事名称は「東名高速道路(特定更新等)菅ケ谷高架橋床版取替工事」。延長270メートルの高架橋(非合成板桁橋)で、劣化した床版を取り換えるとともに桁の補強、支承交換、塗装塗り替えなどを行う。迂回(うかい)路がなく1日3万台以上が通る重交通路線のため、車線規制のない半断面施工を採用。施工スペースも狭いため、門形架設機を使い床版を交換している。
車線をずらし路肩が狭くなることから、可変式LED標識やLEDロープライトでドライバーに注意喚起。さらに米国から導入したロードジッパーシステムを使い迅速な車線切り替えや、工事区間各所に設けた監視カメラによる24時間の遠隔監視といった安全対策を講じている。
遠隔臨場やオンライン工程会議などDXを活用して生産性を向上。TLS(地上型レーザースキャナー)で作成した3Dモデルを詳細設計や作業シミュレーションに活用している。主桁の補強に高力スタッドボルトを採用し、使用する鋼材量を大幅に減らすことができたという。
同日は門形架設機を用い、1枚約7トンある床版をつり上げて所定の位置に設置する工程を公開した。1日当たり6枚程度の設置が可能という。現在、下り線追い越し車線側を施工中。2025年夏ごろの完了を目指し、工事が着々と進んでいる。
工事を担当する中日本高速道路東京支社静岡保全・サービスセンターの谷野知伸所長は「引き続きお客さまと作業員の安全を最優先で工事を進めていきたい」と話した。

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