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飲酒の規制が強まりつつある──。
渋谷区は3日、ハロウィーン期間などを対象にしていた路上飲酒を規制する条例を、通年の規制に改正する考えを示した。ハロウィーン期間の渋谷では、一部の人が暴徒化するなど問題視されていたのだが、条例の改正について渋谷区の安全対策課は「近年は時期に限らず訪日観光客を含む多くの人が訪れ、路上飲酒が常態化し、迷惑行為が問題になっている」と話した。
これに続いたのが新宿区だ。区長が4日の定例記者会見で、ハロウィーン期間に新宿駅周辺や歌舞伎町での路上飲酒を制限する条例案を、今月開会の区議会に提出すると発表した。
コロナ禍が明けて以降、路上で酒を飲む人は渋谷や新宿に限らず、都内の他の繁華街でもよく見られる。路上飲酒に対する警戒感が高まる中、規制の動きは広がるのか。繁華街がある都内の他自治体に聞いてみた。
外で飲むこと自体が問題なのではない
世田谷区の下北沢駅周辺では、若者が路上で飲酒する姿が見られる。区の広報広聴課はこう話す。
「下北沢は街そのものが比較的小規模で、来街者の数もそこまでではない。大きな問題は確認されていないので、パトロールなど現状の対応を続けていきます」
知る人ぞ知る「路上飲みスポット」とされる上野駅周辺はどうか。
「路上飲酒をする人がいるとは聞いていますが、特段苦情が来ているわけではないので、今のところ規制などは考えておりません」(台東区生活安全推進課)
池袋駅が位置する豊島区の防災危機管理課は「路上飲酒の苦情はそこまで寄せられておらず、交通の妨害や人通りの迷惑になっていた場合には声をかけている」と、路上飲酒自体を規制する考えはないようだ。
新宿区も規制にこそ踏み切ったが、「ハロウィーンで人が集まるので、飲酒によっておこる事故を防止することに主眼を置く」(総務部危機管理課)と、あくまで場所と時期を考慮しての措置だと説明した。
どの自治体でも共通していた認識は、路上飲酒そのものを過度に問題視しているのではなく、大勢が集まったうえで、飲酒によって引き起こされる迷惑行為こそが問題であるということだ。お花見など、外気にあたっての飲酒は魅力もある。節度をもって楽しみたい。