「モペット」違反摘発強化 茨城県内 歩道走行など7件 ナンバー未装着も 県警

バックミラー未装着などで摘発されたモペット(県警提供)

ペダル付き電動自転車「モペット」の普及に伴い、茨城県警が違反車両の摘発を強化している。道交法などでは原付バイクとして扱われ、同県内では今年、歩道走行やナンバープレート未装着で既に7件を摘発。走行ルールを知らない利用者も散見されるため、周知を含めた指導も進めている。

モペットはペダルをこがなくても電動で自走する機能があり、電動か人力かを選べる。時速30キロを出せる製品もあり、道交法と道路運送車両法では原付バイクとして扱われている。

県警によると、公道走行時には▽原付バイクなどの免許▽適用される交通ルール順守▽ブレーキなど道路運送車両法の保安基準の順守▽自動車損害賠償責任保険(自賠責)の契約▽ナンバープレートやバックミラーの取り付け-などが必要。人力走行でも要件は同じで、ルールを違反した場合は道交法違反などの罪に問われる可能性がある。

モペットを巡っては、東京都内で人身事故や交通トラブルが頻発。茨城県でも「歩道を走っていて危ない」などの通報が県警に寄せられている。今後は県内でも利用者増が見込まれることから、県警は取り締まりに加え、利用上のルール周知に力を入れる。

今年は5月末までに7件を摘発し、指導や警告も複数あった。物損事故は2件だった。摘発された事例は、ナンバープレートやバックミラーの未装着や歩道走行で、摘発された全員が自賠責に未加入だった。中には「親に買ってもらったのでルールは知らない」と話す人もいたという。

購入者はインターネットの通販サイトで購入するケースが多いとみられる。サイトには利用時の説明が十分でないケースも散見されることから、県警は県内の販売事業者に対し、購入者に利用目的を聞いた上でルールや走行上の要件などの指導を徹底するよう要請。県教育庁を通して学校にも呼びかけを強めたい考え。外国人向けには英語、中国語、タイ語、ベトナム語のチラシを作成し、県警運転免許センターなどで配布する。

県警交通指導課は「モペット運転に必要なものを周知しつつ、違法な走行があれば取り締まりたい」としている。

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