17歳の韓国最強アマが衝撃の日本デビュー “ぶっ飛び”にギャラリー驚がく

17歳のアマチュア、キム・ミンソルが驚きの日本デビュー(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 初日◇6日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

同じ組になった全米帰りの竹田麗央と岩井千怜を目当てに集まった大勢のギャラリーが、ノーマークだった身長178センチのもう一人の選手にざわつき始めた。「誰?」、「アマチュアか!」、「大きいなぁ」、「めちゃくちゃ飛ぶやん」…。スタートの10番パー4で日本ツアーを代表する若き飛ばし屋2人を置き去りにするビッグドライブ。ひと振りで注目を集めたのは韓国の17歳のアマチュア、キム・ミンソルだ。

日本デビューとなった韓国のナショナルチームに所属するエリートアマは6バーディ・3ボギーの「69」で堂々の10位スタート。「初めて日本でプレーしてとても緊張したけど、自分の中ではいいプレーができたと思う」と満足そうに話したが、順位以上に強烈なインパクトを残したのが圧倒的な飛距離だった。

この日のドライビングディスタンスは平均268ヤードで、神谷そら、穴井詩に次いで3位。計測ホールの2番は262ヤードを記録し、17番は274ヤードをぶっ飛ばした。17番は1位だった神谷に3ヤード差の2位。「260ヤードくらい」と即答したドライバーの平均飛距離は掛け値なしに本物だ。

5月の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で史上8人目のアマチュア優勝を、史上最年少の15歳176日で達成した同じ韓国のリ・ヒョソンとは一緒のアカデミーで腕を磨き、コーチも同じ。「私は同じ日に別の試合に出ていたので、終わってからお祝いのメッセージを送りました。自分も優勝したいけど、それよりもやるべきことをしっかりとやり通したいと思います」。バランスの取れた恵まれた体から放たれる豪快なショットとは対照的にシャイな性格。日本ツアー2勝のキム・ソヒの夫で今大会はキャディ兼通訳を務めるパク・インベ氏は「コースを離れても物静かでおとなしい子です。でも、初めての日本を楽しんでいますよ。食べ物はお好み焼きが気に入ったようです」と話した。

世界アマチュアランキングは4位で、5月の韓国ツアーでは2位の経験もある。今月15日に18歳の誕生日を迎え、7月にもプロ転向を予定している。「将来は米ツアーでプレーしたい」と目を輝かせる逸材のアマでは最初で最後となりそうな日本での試合。週末に向けて、その注目度はさらに上がっていきそうだ。(文・臼杵孝志)

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