『デカレンジャー』キャストがわちゃわちゃ 20周年での変化をトーク

『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』(左から)林剛史、吉田友一、さいねい龍二、菊地美香、伊藤陽佑 (C)ORICON NewS inc.

テレビ放送から20周年を記念して製作されたVシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』が6月7日より期間限定上映され、11月13日にBlu-ray&DVDを発売する。ORICON NEWSでは、赤座伴番/デカレッド役のさいねい龍二、戸増宝児/デカブルー役の林剛史、江成仙一/デカグリーン役の伊藤陽佑、胡堂小梅/デカピンク役の菊地美香、姶良鉄幹/デカブレイク役の吉田友一にインタビューを実施。20年での変化や思い出話に花を咲かせた。

■20周年で『デカレンジャー』が再集結!感慨を語る
――『特捜戦隊デカレンジャー』から20年が経過しました。今回、20周年記念作が製作されたことへの思いを聞かせてください。
【さいねい】うれしかったです。20年経って、こうやって集まる作品って、そうそう出会えないですし。感慨深いものがありました。

【林】うれしいと同時に感謝です。僕自身もそうですけど、ずっと役者を続けているから出演できる。これが完全に芸能の仕事辞めて全くやっていないとか、携わりたくないという心境になっていたらできなかったこと。誰ひとり欠けても、この作品はできない。そういう意味で主要メンバーを含め、スーツアクターの方、監督、東映の皆さん、そして『デカレンジャー』を好きでいてくださるファンの皆さんがいたからこそ、20周年ができた。喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。

【伊藤】何十年も前の作品の新作が出てくるなんて!という感じです。例えば、映画作品、ドラマ作品だけでなく、音楽のバンドでも再結成がある。そうなるとファンとしては「本当にありがとう!」「えっ?新曲作ってくれるの?」という気持ちになるんですよ!その気持ちは、いちオタクとしてわかるんです。その供給ができることに幸せを感じています。

【菊地】うれしかったです。スタッフ陣も私たちのパイロット版の第1話、第2話を撮ってくださった渡辺(勝也)監督で、荒川(稔久)さんが脚本を書いてくださった。変わらずに懐かしいメンバーと現場で会えるのが何よりもうれしかったです。新しく参加してくださったスタッフの方も、世代的に『デカレンジャー』を知らない方もいらっしゃったけど、一生懸命いろいろ調べてくださって、いろいろ小道具を作ってくださった。新旧合体した『デカレンジャー』を作ることができて、とてもうれしかったです。

【吉田】一言で言うと、感慨深いに尽きます。テレビシーズから携わってくださったスタッフさんとの再会や、新たに『デカレンジャー』を見て育ったスタッフさんもたくさんいらっしゃった。そういうところの融合も現場で図れたのは本当によかったと思います。それが後輩のスーパー戦隊シリーズに続いていく可能性を秘めた作品になったと思います。

――20年でさまざまな変化があったと思います。まさか『デカレンジャー』内で結婚するとは!
【菊地】本当ですよ。びっくりよ(笑)。

【林】ビジネス(センちゃんとウメコ)からのリアル(菊地と吉田)ですからね。

【菊地】でも、こうやって並ぶと忘れますね。「夫か!」と。(伊藤の方を向き)夫はこっちだっけ?となります。

【伊藤】二重生活ですね(笑)。

【吉田】これだけ長くやると予想しがたいことも多々あると思うので、そういったことも楽しんでいただけたら幸いです。

【林】予想外を楽しむ、と(笑)。ファンより俺らの方が予想外だったけどな(笑)。

――結婚はいつ知らされたんでしょうか?
【さいねい】僕は菊地さんから「今度(さいねいが住んでいる)広島に行くわ。結婚するから結婚相手も一緒に行くから紹介するね」と言われたんです。緊張するなと思い、広島駅で待ち合わせして、「おぉ、久しぶり!」となった。それで「じゃあ、紹介するね」と言われて、「どうも、はじめまして!さいねいです」とパッと向いたら、この人(吉田)だったんです(笑)。

【林】1ミリも「はじめまして」じゃない(笑)。

【さいねい】なかなかの音量で声が出ましたね。一瞬、わけがわからなかった(笑)。でも、いろいろヒントをくれていて。医療関係に従事しているとか。お医者さんなのかなとか考えていたけど、(吉田は鍼灸師で)そういえば医療関係だ!と。なかなかのドッキリでしたね。

【菊地】土田(真通)プロデューサーも全く同じ感じでした(笑)。「彼氏、来られなくなったの?」って聞かれて「友一くんと結婚するんです」と。「えっ?」と驚いてましたね(笑)。

【吉田】伝える側としては、驚くだろうなと思ったけど、「やめとけ」と言われなければいいなって不安もありました(笑)。あまりにも長い付き合いで、いろいろ知ってるが故にね。

【林】それはないよ!誰も否定しない。僕と陽佑は、竹本昇監督が誕生日で「ちょっと集まろう」となって、知り合いのお店に行ったんです。最初の席が、友一、僕、美香だったんです。トイレに行って帰ってきたら、友一と美香が横並びになっていて。そしたら友一が急に「みんなにお知らせ」と。人生で、あんなに鳥肌立ったことない(笑)。

【伊藤】2人とも驚きすぎて、大変なことになってた(笑)。俺も、あんなに鳥肌立ったことない(笑)。

■ウメコのお風呂シーン秘話 プレミアデカレッドの強さは「次元が違う!」

――『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』は、ファンが喜ぶようなシーンもいっぱいありま
す。センちゃんは逆立ちもしていました。
【伊藤】そうですね!リドミハ星人も超懐かしくて。企画会議の時に、牧野植物園で植物の話ということで、宇宙人で植物系がいたよね、と。それでリドミハ星人に。僕の最初のメイン回の敵がリドミハ星人だった。感慨深いですよね。

――ウメコは、おなじみのお風呂シーンも
【菊地】当然あるだろうと思っていたんですけど、本当はない予定で。逆に男の子たちが、サウナブームに乗ってお風呂に入るシーンで。でも、結局は「ウメコはお風呂でしょ」ということで!ホッとしました(笑)。捜査の一環で、お風呂に入りました(笑)。

――プレミアデカレッドの強さは、すごいですね!
【林】1人だけ次元が違った(笑)。

【さいねい】あれって、どういうシステムなんですかね。あのライセンスを使えば、誰でもなれるんですかね。何がスゴいって、あのライセンスを開発した、おそらくスワンさんがスゴいですよね!

――ホージーが「相棒」と言う熱いシーンもあります。
【林】撮影当時も話してましたけど、50話以来の「相棒」でした。50話は俺が「行け!相棒」と言って、いい笑顔で龍二が「相棒って言うな」となる。今回も僕は思い入れが強いので「ここは時間を割いてくれるはずだ」と思ったら、意外とあっさりでした(笑)。

――高知市職員の吉田さんには、高知市の魅力を…
【吉田】まずは、ちょっとテツについて語らせてもらってもいいですか?あまりにも高知推しが強すぎて(笑)。

【全員】(爆笑)

【吉田】テツは近年、稀に見るテツらしいテツだった。10周年とかギャバンでは、人質になったり、やられたりの専門だった。過不足なく、出過ぎず、出なさ過ぎず、テツのブレンド比率がちょうどいい感じで。ちゃんと現場でも、センちゃんにそそのかされて任務を遂行している感じでしたけど、それもテツの後輩らしいところ。大活躍ではなかったけど、ちゃんと存在できた。近年、稀に見るちょうどいいブレンド比率でした。

からの高知市ですね。ヒーローが地域を活性化する。そこは強調したいです。さまざまなロケ地や事業者さんに協力を仰いだ。かなり協力的でした。高知市の土地柄というか、新しいものに挑戦することに対して後押ししてくれる風潮が強い。そこが成立した理由ですかね。受け入れ側としても、これを機にフィルムツーリズムを促進する部分で学びになったと思う。これを持続的にできるように。映画は撮って終わりじゃなくて、観光客の誘致ができるように奔走したいと思います。

【林】昔から友一ってスゴかったんですけど、楽屋番長みたいなところがあったんです。楽屋は一番面白いのにステージに出たら、どうしたさっきまでの、という感じだった…。

【伊藤】マジメだから。

【林】それが今は「まずはテツの」と。きょう一番笑いましたよ(笑)。ポテンシャルが、どんどん生かされてます。素晴らしいと思います(笑)。

――20年を感じる瞬間といえば、『特捜戦隊デカレンジャーwithトンボオージャー』が東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信されます。『王様戦隊キングオージャー』のヤンマ・ガスト/トンボオージャー役の渡辺碧斗さんが、「ジャスミンが初恋」と製作発表イベントで発言したところからスタートした企画です。
【菊地】現場でお会いすると、いち大人。彼が20年前に子どもだったことを想像できないぐらいプロフェッショナルな役者さんでした。碧斗くんを通して、20年を感じることは逆になかったですね。

【伊藤】碧斗に昔の写真を見せてもらったんです。スカイシアターで、デカレンジャーの顔はめパネルに入っている碧斗の写真で「ホントに行ってたんですよ!」と。で、「しかも、その時の写真を探したら、親が俺よりデカレンジャーを撮ってるんですよ!」と(笑)。

【林】親御さんも『デカレンジャー』に熱中してて(笑)。

【伊藤】僕はTTFCの番組で碧斗と一緒だったので。『デカレンジャー』が好きでいてくれたのは、うれしかったです。『キングオージャー』の会見の影ナレは関智一さんがやっていて、TTFCの番組の影ナレが僕だったので、その場にいたんです。その時に関さんが「過去のスーパー戦隊シリーズで何が好きだったの?」とアドリブで聞いて、それで碧斗の「ジャスミンが初恋」を引き出したんです。もう『特捜戦隊デカレンジャーwithトンボオージャー』の仕掛け人は関さんです(笑)。

【菊地】めちゃくちゃタイトなスケジュールなのに、あれをやったTTFCもスゴい(笑)。あれは碧斗くんの思いですね。

――最後に『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』の見どころをお願いします。
【さいねい】今回の映画の見どころはスーツアクターさんだと思っています。変身後を演じるスーツアクターという職業が、それだけ素晴らしくてリスペクトに値するからです。スーツアクターの皆さんともどもよろしくお願いします!

■『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』イントロ
2004年2月から2005年2月まで、“スーパー戦隊シリーズ”の第28作としてテレビ朝日系で全50話放送された『特捜戦隊デカレンジャー』。宇宙に多発する星間犯罪組織を取り締まるために設立された銀河系宇宙警察・地球署を舞台に、選ばれし刑事たち、S.P.D、『スペシャルポリス・デカレンジャー』6人が、宇宙犯罪者・アリエナイザーたちに立ち向かうストーリーで人気を博した。また、2006年の日本SF大会では、スーパー戦隊シリーズでは初の『星雲賞』を受賞するなど、幅広い層からの高い支持を集めた。2015年に『特捜戦隊デカレンジャー10YEARS AFTER』、2017年には『スペース・スクワッドギャバンVSデカレンジャー』が製作されるなど放送終了後も根強い人気を集めている。そして、放送開始から20年を迎える2024年に『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』が完成した。

イマドキの新人刑事・塁(長妻怜央7ORDER)を加えたデカレンジャーは、妖艶なる爆破事件容疑者・ラエンジョ(黒川芽以)を追いながら、銀河の麻薬王が遺した「大いなる計画」の謎に挑む。健気な被害者少年マープル(声:福山潤)や植物園の主モクミス(川村文乃アンジュルム)らさまざまな異星人と交流しながら、宇宙の遥か彼方から四国・高知県に及ぶ大捜査網が展開する!

■『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』ストーリー

平和を守るデカレンジャーの6人が地球署にそろって20年、そんなタイミングで大爆破事件が発生した!急行したウメコとセンは、現場にいたジウジッソ星人の子・マープルから怪しい女エイリアンがいたと目撃情報を得る。姿を現したエイリアンの確保を試みるデカレンジャーたちの前にプレミアデカレッドが登場するが、呼吸が合わずに取り逃がしてしまう。プレミアデカレッドに変身していたのは、バンが指導するファイヤー・スクワッド所属の新人・江戸川塁。バンと塁は地球に落ちた未確認物体の調査に来たところだった。その後の捜査で容疑者となるアリエナイザーの正体は、銀河の麻薬王タレワラーネの妻・ラエンジョと判明。タレワラーネは塁にデリートされていて、その復讐でラエンジョが行動しているのでは?という捜査方針から、ラエンジョを追ってホージーとジャスミンはラエンジョの住んでいたチーマ星へ、バンとウメコと塁はエイリアン特区へ向かった。一方、爆破現場一帯から発見された手掛かりの謎を追って、センとテツはあらゆる植物に精通した牧野植物園学芸員モクミスに会うために高知へ駆けつける。だが2人を前にしたモクミスは、リドミハ星人の姿になっていきなり攻撃をしかけてきた!デカレンジャーたちの捜査は果たして事件を解決に導けるのか!?

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