ブラジルの世界最大級湿原、火災が前年比10倍増 乾季控え懸念

Lisandra Paraguassu

[ブラジリア 6日 ロイター] - ブラジル国立宇宙研究所(INPE)の衛星データによると、同国にある世界最大級の湿地帯、パンタナル湿原で今年に入って発生した火災の数が昨年から10倍近く増加し、過去最悪の火災に見舞われた2020年以来最高水準に達している。

今年初めから6月5日までにパンタナル湿原で発生した火災件数は前年比で980%増加している。

この地域は例年7月に火災シーズンに入り、8・9月にピークを迎えることから上期の数字は警鐘となっている。

地元の非政府組織(NGO)担当者は「今年は1998年の統計開始以来最悪水準の始まりとなった。最も懸念されるのは雨期でさえこのように火災が増加している点だ」と述べた。

昨年末からの少雨で通常の季節的な洪水が発生せず、火災に脆弱な地域が拡大した。

© ロイター