アルピーヌF1は“オコンの出場停止を望んでいた”とフランス紙が報道。チームの弁護団は法的な反論を懸念か

 フランスの日刊紙『L’Equipe』が報じたところによると、アルピーヌF1は前戦モナコGPでチームメイトのピエール・ガスリーと接触したエステバン・オコンを、今週の第9戦カナダGPで出場停止にする予定だったという。

 オコンは、モナコGPの決勝レースのオープニングラップでガスリーと争い、タイトなターン8(ポルティエ)のイン側で危険な動きをして、コーナー出口でチームメイトと接触した。このクラッシュでオコンは宙に浮き、リタイアを余儀なくされたが、幸運にもガスリーはマシンをチェッカーフラッグまでもたせ、トップ10フィニッシュを果たすことができた。

 この行動により、オコンはカナダGPで5グリッド降格ペナルティを科されることになり、アルピーヌF1のチーム代表ブルーノ・ファミンの怒りを買った。怒りに駆られたファミンは結果について警告し、オコンに制裁を科す可能性を示唆した。しかしながら、結局アルピーヌはいつものラインアップでカナダGPに挑むことになる。ファミンは当初、災いをもたらすような動きをしたことを罰するために、今週のジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでのレースをオコンに欠場させる計画でいた。

 L’Équipeによると、そうした決定に異議を唱えたオコンが法的根拠によって反撃することをアルピーヌF1の弁護団が懸念し、ファミンに行動を起こさないよう助言したと報じている。

「日曜日のカナダGPでドライバーを出場停止にし、リザーブドライバーのジャック・ドゥーハンをコクピットに乗せるというチーム上層部の望みは明らかだった」と、フランスの日刊紙は書いている。

「この決定は、ノルマンディーを拠点とするマニュファクチャラーの弁護団によって承認される必要があった」

 しかしアルピーヌは、2022年の夏にオスカー・ピアストリと争ったような新たな訴訟を抱えることに消極的だったようだ。

「今回、アルピーヌは法律専門家チームの助言により、カナダでオコンを出場停止にすることはリスクが非常に高いと理解した。このリスクというのは、彼が執行官を連れてモントリオールに到着し、労働権の剥奪を指摘し、レースに出場する法的権利を行使して、マシンに乗り込むのを見ることだった」

 6月3日、アルピーヌとオコンは2024年シーズンの終わりに袂を分かつことを発表した。しかしオコンはコースで結果を出し、残りのシーズンを成功に導くことに「全力を注ぐ」と誓った。しかしL’Equipeの報道を鑑みると、今週のカナダではアルピーヌ陣営に緊張が生じるかもしれない。

2024年F1第8戦モナコGP決勝レース ピエール・ガスリー&エステバン・オコン(アルピーヌ)

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