SnowMan&ラウールはアイコンに 『それスノ』&『新しいカギ』ダンス企画が大隆盛 令和ならではの深い理由

ラウール(Snow Man)(C)ピンズバNEWS

6月1日放送のフジテレビのバラエティ番組『新しいカギ』2時間SPで、新企画「カギダンスバトル」がスタート。注目を集めている。

7月20日と21日放送の超大型特番『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)の総合司会に就任した霜降り明星のせいや(31)と粗品(31)、チョコレートプラネットの長田庄平(44)と松尾駿(41)、ハナコの菊田竜大(36)と秋山寛貴(32)と岡部大(35)。

今年の『27時間テレビ』は「日本一楽しい学園祭」をテーマに掲げ、『新しいカギ』をベースに同番組の人気企画「学校かくれんぼ」をはじめとしたスペシャル企画を届けるという。

「7月21日の番組内では全国から集った高校生ダンスチームによる一夜限りのダンス大会を放送するといいますから、『カギダンスバトル』はそれに向けての企画でもあるのでしょう」(制作会社関係者)

6月1日の「カギダンスバトル」では同じ高校のダンス部を2チームに分け、チョコレートプラネット・長田とハナコ・秋山がそれぞれチームをプロデュース。おもしろ要素や学校あるあるを取り入れたダンスで対決し、JO1・川尻蓮(27)と川西拓実(24)が審査員を務めた。

「長田さんのチームはチョコプラの持ちネタ『TT兄弟』を取り入れたり、秋山さんのチームはタブレットを活用したり、校長先生もダンスに参加したり、どちらも生徒たちに大ウケでした。

『27時間テレビ』のダンス大会も“ダンススキル”と“会場を笑顔にさせられるか”を競うそうですから、やはりこの『カギダンスバトル』がベースになってきそうです」(前同)

■Snow Man&ラウールはテレビの「ダンス企画」のアイコンに

『27時間テレビ』の目玉企画になるという「ダンス大会」の応援サポーターにはSnow Manのラウール(20)が就任。「一夜限りの高校生ダンサーたちによるアツい戦いということで、ものすごく楽しみにしています!」とコメントを寄せている。

そのラウールを擁するSnow Manの冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)もダンス企画「ダンスノ完コピレボリューション」が視聴者から大好評だ。

「ダンスノ完コピレボリューション」は誰もが一度は見たことがある有名曲の振付を3分間で完璧にコピーし、間違えることなく踊り切ることができるかを競うというもの。

5月24日放送の2時間SPでは、Snow Man、Kis-My-Ft2・千賀健永(33)、元A.B.C-Z・河合郁人(36)、SixTONES・ジェシー(27)、TravisJapan・宮近海斗(26)、ももいろクローバーZ・佐々木彩夏(27)と高城れに(30)らがダンス対決を繰り広げた。

「『ダンスノ完コピレボリューション』はDa-iCEやJO1が参加するなど、事務所の垣根を超えた企画としても話題になりましたよね。

そして、テレビ各局は今、13~49歳のコア視聴率を重視していて、『それスノ』は通常回もコア視聴率は堅調ですが、『ダンスノ完コピレボリューション』放送時にはさらに数字が上がります。『新しいカギ』も『それスノ』の好調を受け、『カギダンスバトル』を企画したところもありそうですね。

それほどダンス企画は若年層を中心に人気を博していて、Snow ManはTBSのダンス企画の顔的存在ですよね。さらにラウールさんは、フジテレビの『27時間テレビ』のダンス大会の応援サポーターに就任。もはやSnow Man、ラウールさんはテレビのダンス企画のアイコン的存在になったと言っても過言ではないでしょう」(前出の制作会社関係者)

日本テレビでも2022年より毎年5月に優勝賞金1000万円を争うダンス特番『THE DANCE DAY』を放送。今年は5月27日に放送があり、歌手で俳優の井上芳雄(44)と水卜麻美アナウンサー(37)がMCを務めた。

今、各局がこぞってダンス企画やダンス番組を放送する理由を、元テレビ朝日社員でテレビプロデューサーの鎮目博道氏はこう分析する。

「現在、各局、制作費が削減されていますが、ダンス企画はスタジオと音楽があれば形になりますから、局や作り手にとって予算的にもありがたいという側面があります。

それに今、ほとんどの芸能人が踊れるんです。旧ジャニーズタレントは本業ですから言わずもがなですが、ソロアーティストや歌謡曲系の歌手もダンスレッスンを受けていますからね。俳優も同様でダンスを披露する機会はほとんどないでしょうが、俳優業をやるうえでダンスレッスンを受けているんです」(鎮目氏、以下同)

■「ダンス企画」がZ世代に支持されるワケを元テレ朝プロデューサーが解説

吉本興業の養成所・NSC吉本総合芸能学院でもカリキュラムにダンスを取り入れている。

「バラエティ番組で活躍するお笑い芸人も同じくレッスンを受けている人が多い。ダンスが本業の人から、そこそこ踊れる人まで差はありますが、基本的に昨今の芸能人は踊れるんです。だから番組でもダンス企画をやりやすいという事情がある。

そして、今は『それスノ』の『ダンスノ完コピレボリューション』が大人気ですが、その対極にありそうなのが、『ロンドンハーツ』の『芸人スポーツテスト』や『アメトーーク!』(ともにテレビ朝日系)の『運動神経悪い芸人』かと。あれは運動ができない人のポンコツ具合を笑うという企画ですよね。

一方で若いZ世代を中心に支持されているのは『それスノ』のようなダンス企画で、ポンコツさを笑うのではなく、“こんなに踊れてすごい! さすが!”という達成感やその満足感を得られるコンテンツがウケているんです」

ダンス企画はこれまでもテレビ界で重宝され続けてきた。

『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)ではたびたび社交ダンス企画を放送。古くは『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系、1985年4月~96年10月)の「高校生制服対抗ダンス甲子園」からは今や政治家に転身した山本太郎氏(49)もブレイクを果たした。上記のような番組でもそうだったが、芸能人や若者が本番に向けて真剣に努力する姿も、“応援できる映像コンテンツ”になるようだ。

「音楽と踊りで構成されるダンス企画は純粋に見ていて気持ちがいいですし、高まりますよね。そしてZ世代に響いているのは、学校の授業でダンスが必修化されたからという背景も大きいでしょう。今の若者はダンスとの距離感が近く、馴染みがあるわけです。

TikTokやインスタグラムに流れてくる芸能人やインフルエンサーの踊りを真似するのも彼らにとっては当たり前のこと。昔は足が速い男子がモテましたが、今はダンスが上手い男子・女子が尊敬の念を集めたり、もてはやされるようにもなりました。

Z世代は日頃からダンスに触れていることもあり、その楽しさだけではなく難しさも理解している。それを、Snow Manメンバーは3分で振付を覚えてカッコよく踊れてしまう。『それスノ』のダンス企画は“推し”のすごさもあらためて実感できる構成になっていますね。そのあたりも多くの支持を集める要因ではないでしょうか」

制作費を抑えられ、コア視聴率の中心のZ世代からの支持も得られる。ダンス企画は令和のテレビ業界にジャストフィットするコンテンツとして、作り手からも歓迎されているようだ。

© 株式会社双葉社