熟成チーズに合う日本酒は「陸奥八仙ISARIBI」 本場・イタリアの品評会で特別賞

表面に「八仙」の刻印が施された、重さ約41キロのパルミジャーノ・レッジャーノのホールチーズ
ホールチーズにナイフを入れていく池見オーナーシェフ(右)

 青森県八戸市の八戸酒造が製造する日本酒・陸奥八仙シリーズの一つ「陸奥八仙 ISARIBI(いさり火)」が、昨年のイタリアの日本酒品評会「ミラノ酒チャレンジ」で、イタリアのチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」に合う銘柄として特別賞に輝いた。同社は4、5日、同市湊高台のイタリア料理店「カーサ・デル・チーボ」で受賞記念イベントを開催。4日は副賞で贈られた重さ約41キロの「パルミジャーノ-」のホールチーズ(直径約47センチ、厚さ約24センチ)がお披露目され、出席者たちがその迫力に驚いていた。

 品評会は、イタリア酒ソムリエ協会が主催。イタリアの人々に日本酒の良さを知ってもらうことなどを目的に2019年に始まった。

 同賞は特定の食べ物と合う銘柄を選ぶ特別賞で、23年に設けられた。同年6月、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会の公式テイスター10人らが審査し、12カ月、24カ月、40カ月と熟成期間の異なる3種類のチーズに合う銘柄を、各地から出品された548銘柄の中から一つずつ選んだ。辛口のドライな味わいですっきりとした後味が特長の「いさり火」は、24カ月熟成のチーズに最も合う-とされた。

 4日は冒頭、表面に「八仙」の刻印が施された副賞のチーズが登場した。カットは池見良平オーナーシェフが担当。八戸酒造の駒井秀介(ひでゆき)専務取締役や杜氏(とうじ)の駒井伸介(のぶゆき)常務取締役の手も借りつつ、約15分間額に汗をにじませながら格闘し、何とか2等分した。断面があらわになると、出席者たちが「おー」と歓声を上げていた。

 駒井専務は「地元の魚介に合うように作ったいさり火がチーズにベストマッチしたということで、新たなペアリング(組み合わせ)の発見ができてうれしい」とあいさつした。

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