【491万円~のお値打ちぶりを徹底チェック!】MINIエースマンは、毎日使いやすい「ジャストサイズ」の5ドア電動SUVだった

2024年6月6日、東京・渋谷の「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」で発表されたMINIの新型モデル「エースマン」は、まったく新しい5ドアの電気自動車です。ここでは、どんなモデルなのかを解説していきます。

全長4mのコンパクトなサイズが魅力の電気自動車

2024年4月に中国・北京でワールドプレミアを果たし、ついに日本へ上陸したエースマンですが、なんといっても特徴はその「コンパクトさ」です。

電気自動車らしくフロントグリルには冷却用の穴はなく、非常にすっきりとした印象。Bピラー下のサイド・スカットルは装着されない。

日本仕様のボディサイズは、全長4080×全幅1755×全高1515mmという我々の道路環境にぴったりな大きさです。ひと足先に登場した新型MINIクーパー3ドアは、全長3860×全幅1755×全高1460mm(E/SE)というボディサイズですから、いかにエースマンがそれに近いディメンションを有しているかがわかります。

そしてエースマンは電気自動車です。MINIクーパー3ドアは、電気自動車のほかガソリン仕様をラインナップしていますが、こちらは電気のみ。MINIブランドの電動化戦略が着実に進んでいることを強調しています。

MINIなのに「丸くない?」デザインが個性を光らせる

MINIといえば、丸いヘッドライトがアイデンティティと想像されますが、エースマンのヘッドライトは五角形。そして新世代MINIブランドに共通する八角形のフロントグリルが採用されています。

「カリスマティック・シンプリシティー」をデザイン言語とする新世代のMINIブランドでは、無駄な要素を削ぎ落としてシンプルさを際立たせることにこだわっています。エースマンでもそれは例外ではなく、個性的なライトデザインやフロントグリルは強調されながらもドアハンドルは突き出していないフラップ式を採用したり、リアのボディ表面には凹凸がなくロゴのみが配されるなど、非常にシンプルなデザインが特徴です。

リアは兄貴分のカントリーマンによく似た印象。腰高感のある佇まいはSUVぽさを感じさせる。

一方でボディ下部には樹脂パーツを多用しており、SUVのような個性的な佇まいも特徴で、サイズ感も含めて「シトロエン C4カクタス」を彷彿とさせるような、非常にユニークなデザインです。

インテリアは電気自動車らしい開放感にあふれている

さて、インテリアに目を向けると、新世代MINIブランドを象徴する直径240mmの有機ELセンターディスプレイが鎮座しています。メーターパネルの代わりにヘッドアップディスプレイを装備している点や、インパネ上部にアンビエントライトの役割を果たすプロジェクターが装着されているなど、MINI3ドアやカントリーマンなどに非常に似た印象を与えています。

ステアリングホイールのデザインは先に出たMINI3ドア・カントリーマンと共通。

一方でダッシュボードにはエースマンだけに用意されるリアルステッチが配されていたり、ヘッドアップディスプレイとハンドルの間にはレザー調のバンドが敷かれるなど、特別感が演出されているのもポイントでしょう。

リアシートは3人かけですが、大人3人が余裕で座れる広さ・・・ではありません。あくまで割り切ったスペースといえます。が、意外だったことは、MINI5ドアとおよそ変わらないボディ全長ながら足元と頭上のスペースは想像よりはるかに広々としていたことです。

さらにパノラマサンルーフが用意されていますので、その開放感たるやボディサイズの想像を超えていました。これは電気自動車専用のプラットフォームを採用し、2605mmのホイールベースが確保されている所以です。

ラゲッジルームは、3ドアや5ドアモデルよりもやや広いかな? といった印象です。ただしリアシートを倒せば最大で1005リッターもトランク容量が確保できるということで、実用性で不足を感じることは少ないと思われます。

2グレードを用意し価格は491万円から。安全装備も充実

エースマンの日本仕様は、現状2グレードとなります。ひとつは、42.5kWhのバッテリー容量で最高出力135kW(約184ps)、最大トルク290Nmを発生する「E」。航続距離は310kmで、DC急速充電は最大75kWまで許容します。

シートヒーターのほか、ランバーサポート機能も備わる(オプション設定)

もうひとつは、54.2kWhのバッテリー容量で最高出力160kW(約218ps)、最大トルク330Nmを発生する「SE」。航続距離は406kmで、DC急速充電は最大95kWまで許容します。

先進安全装備も充実しており、車線をはみ出しそうになるとハンドルを操舵して車線内に戻すレーン・キーピング・アシストや、後退時に交差する車両を検知して警告するクロス・トラフィック・ウォーニング(リア)機能などが標準装備されます。

またパーキング・アシスタント・プラスを標準化することで、サラウンド・ビュー機能やペダル踏み間違い急発進抑制機能、さらに車両が時速約35km以下で直前に前進したルートを最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバース・アシスト機能なども備わっています。

ただし、ACC機能は「SE」にのみ設定されるほか、カントリーマンで採用されたハンズオフアシスト機能は装備されませんのでご注意ください。(Eはクルーズコントロール機能を装備)

そろそろ電気自動車にしようかな? という人にもおすすめ

さて今回は、MINIのオールニューモデル「エースマン」をご紹介しました。電気自動車のラインナップが急速に増えているMINIブランドのなかでも、エースマンはボディサイズや価格の面において誰にでもおすすめできるモデルといえます。

リアシートは想像以上に広い。横方向の広さは平均的だが、ニールームや頭上空間はクラスを超える。

また電気自動車なので政府やお住まいの地域から出る補助金を活用すれば、400万円台前半で手にすることができる可能性があります。また新車購入から3年間は主要メンテナンスを無償で行える「MINIテンダー・ラビング・ケア」が全車に付帯しているのもポイントです。

なかなかリセール問題や価格の高さで電気自動車を買い控えする方にとっても、MINIブランドのリセールの強さや説得力ある価格設定を踏まえて、エースマンはぜひおすすめできるモデルだと思いました。

MINI エースマン SE 主要諸元 ※カッコ内はE

●全長×全幅×全高:4080×1755×1515mm
●ホイールベース:2605mm
●車両重量:未発表
●最高出力:160kW/7000rpm(135kW/5000rpm)
●最大トルク:330Nm(290Nm)
●バッテリー容量:54.2kWh(42.5kWh)
●一充電航続可能距離(欧州仕様値):406km(310km)
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:225/55R18(205/55R17)
●車両価格(税込):556万円(491万円)

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