「トミ! トミ!」 森保Jのプレミア戦士がまるでヒーロー…ミャンマー会場で“憧憬の的”に【現地発】

会場では冨安コールが起こるほどの人気ぶり【写真:Getty Images】

W杯アジア2次予選ミャンマー戦で5-0の圧勝

森保一監督率いる日本代表は6月6日、2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で敵地でのミャンマー戦に臨み、5-0で勝利を収めた。森保監督は初めてスタートからの3バックに挑戦。MF中村敬斗、FW小川航基の2ゴール、MF堂安律が1ゴールと攻撃陣が躍動した一戦で、DF冨安健洋(アーセナル)、DF長友佑都(FC東京)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)がベンチ外となった。試合後、スタジアムの周辺は現地のファンが異例の“トミコール”を起こしていた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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「トミ! トミ! トミ! トミ!」

耳をつんざくようなコールが会場トゥウンナ・スタジアムの周辺に響き渡った。試合終了のホイッスルが鳴り、時間は午後9時になろうとしていた。選手が続々と取材エリアへと登場。そのすぐ外には日本代表の移動バスが待機しており、取材を終えた選手から乗り込んでいく。その周辺を取り囲むように、何百人という現地のファンが押し寄せていた。

すると、この日ベンチ外だった冨安が荷物を運びながらバスへと向かう。現地ミャンマーのファンはアーセナルのユニフォームを掲げ、まさに国民が待ち望んだヒーローのようだった。

ミャンマーでは英プレミアリーグがテレビ放送されており、熱狂的なファンが多い。リザーブメンバーだったMF遠藤航、MF南野拓実の“リバプールコンビ”の名が試合前にコールされると、場内では大歓声が起こった。前半終了間際に南野がベンチへはけた際にもメインスタンドの観客から拍手が起こるほどだった。

ルートン・タウンでプレーする橋岡のもとにもミャンマーの記者たちが駆け寄り“セルフィー”をおねだり。ミャンマーの赤いユニフォームではなく、アーセナルやリバプールのシャツを着ていた人も多かった。

それほど待ち望んだ存在だっただけに、プレーしている姿が見られず落胆した人も多かっただろう。だからこそ、冒頭の“バス待ち”が起こり、町中に響き渡るような「トミコール」で出迎えられたのだ。アジア2次予選だからこそ見られる貴重な光景。その姿が憧れとなり、ミャンマーサッカー、そしてアジアの発展につながってほしいものだ。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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