退職代行を使う人って本当にいるの? どのような人がいくらくらいかけてる?

退職代行サービスを利用者はどのくらい?

エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が実施した「退職代行実態調査」(調査期間:2023年8月29日~9月26日、有効回答数:7749名)によると、退職代行サービスを利用したことがある方は、全体の2%です。

また、退職代行サービスを利用した年代は、20代が5%で最も多く、30代が2%、40代は1%と、あまり多くありません。

図表1の「退職代行サービスを利用した理由」を見ると、「退職を言いだしにくかったから」「すぐに退職したかった」「人間関係が悪かったから」と、どの年代も同じ理由を挙げています。

図表1

エン・ジャパン株式会社 「7700人に聞いた退職代行実態調査」をもとに筆者作成

一方、図表2の「退職代行サービスを利用しない理由」では、30代や40代は「退職意向は自分で会社に言うべき」という意見が5割近くを占めていますが、20代は「退職意向は自分で会社に言うべき」と「金銭的な負担」という理由で分かれており、30代や40代に比べて金銭的な理由で利用しないという方が多く見られます。

図表2

エン・ジャパン株式会社「7700人に聞いた退職代行実態調査」をもとに筆者作成

退職代行サービスの利用者の業界と勤務年数

「退職代行モームリ」を運営管理する、株式会社アルバトロス(東京都大田区)が調査した「退職代行の利用状況の調査」(調査期間:2022年3月15日~2023年5月31日、調査対象:10~60代の男女1637名)によると、退職代行サービスの利用者は20代が圧倒的に多く、男性よりも女性の利用者が多いことが分かりました。

また、退職代行サービスの利用者が多い職種としては、図表3の通り「飲食・サービス」や「事務関連」が目立ちます。

図表3

株式会社アルバトロス 「退職代行の利用状況の調査」をもとに筆者作成

勤続年数別では「1ヶ月~6ヶ月未満」の利用者が最も多く、次に「1ヶ月未満」が続きます。この結果から、退職代行の利用は早期退職を希望している方が多いことが分かります。

また、新入社員の場合は「業務内容が向いていなかった」「精神的・肉体的に限界を迎えた」という理由が多く、5月のゴールデンウィーク明けをピークに退職代行の依頼が増える傾向があります。

退職代行サービスの料金の目安と確認したほうがよいポイント

民間企業や労働組合が運営している退職代行サービスの料金は、2万5000円前後が目安となるでしょう。ただし、退職代行サービス業のなかには悪質な業者も存在し、サービス内容や料金などでトラブルになるケースもあります。退職代行サービスを利用するときは、会社概要や料金・サービス内容、口コミなどをよく確認してから依頼しましょう。

なお、確実に退職をしたい場合は、労働問題を専門としている「弁護士」に退職代行を依頼するのがおすすめです。

退職代行サービスの利用者は多くないが再出発の一つの方法

少しずつ世間での知名度が高まっている退職代行サービスですが、現時点では全体の2%程度しか利用者がいません。また、利用者の多くは20代となっており、特にサービス業、事務関連、製造業などで依頼が多くなっています。

退職代行サービスの料金の目安は、2万5000円程度です。特に、パワハラやセクハラなどの悩みを抱えている場合は、こうした退職代行サービスをうまく活用して再出発するのも一つの方法です。退職代行サービスは悪質業者もいるため、よく確認してから依頼しましょう。

出典

エン・ジャパン株式会社 7700人に聞いた「退職代行」実態調査
株式会社アルバトロス 退職代行の利用状況の調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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