目標や夢「あきらめざるを得ない」ヤングケアラー調査

ヤングケアラーという言葉を知っていたかどうかについて

ビースタイル ホールディングスが運営する「しゅふJOB総研」は2024年6月6日、「ヤングケアラーとキャリア」についての調査結果を公開した。約7割のヤングケアラー経験者が「目標や夢をあきらめざるを得ない」と回答したことがわかった。

「ヤングケアラーとキャリア」をテーマにした調査は、5月15日から22日にかけて、ビースタイル スマートキャリア登録者および求人サイト「しゅふJOB」登録者を対象にインターネットで実施した。有効回答数は408名。「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定される家事や家族の世話などを、日常的に行っている子供のこと。家周りの仕事について、「同居家族はいるがおもに自分が担当」または「同居家族と自分で概ね平等に担当 」のいずれかを選択した人のみを抽出して集計している。

「ヤングケアラーという言葉を知っているか」について、「言葉も意味も知っていた」84.3%、「言葉は知っていたが意味は知らなかった」7.6%、「言葉も意味も知らなかった」8.1%だった。

「ヤングケアラーだったことがあるか」については、「ない」82.1%、「ある」11.3%、「わからない」6.6%だった。

「今、またはかつて周りにヤングケアラーだった人がいるか」については、「いない」54.7%、「いる」18.1%、「わからない」27.2%となった。

「ヤングケアラーであることで大人になってからのキャリア形成に及ぼす影響」については、「(ケアの負担が大きく)目標や夢をあきらめざるを得ない」71.8%、「学業などに支障が生じてキャリア形成がしづらい」62.5%、「結婚相手が少なく最適なキャリアを選びにくい」46.3%と続いた。

ヤングケアラー経験者は、「諦めなければいけないことが多い」「経済的にも苦しい」「我慢してきたことによって好きなことができない」「ヤングケアラーと言っても程度が各家庭で違うので、一括りに話はできない」「ケアマネージャー、介護士、心理カウンセラーなどをいつでもお願いできる環境が欲しかった」などの意見があった。

「子ども・若者育成支援推進法」の改正により、支援に努める対象としてヤングケアラーに関する記述が明記された。しゅふJOB総研の川上敬太郎研究顧問は「法改正により、ヤングケアラーを取り巻く課題解決に向けた大きな前進となることを願う」とコメントしている。

宮内みりる

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