勝ちモードだから代表交代?政権運営能力は?現役政治記者が立憲民主党内の政局を赤裸々に解説!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年6月2日に公開された動画のテーマは「勢いに乗る立憲民主党でも泉代表は交代?」

衆院3補選で全勝した立憲民主党も、9月に代表選を控えています。泉代表は続投に乗り気のようですが、党内ではなぜか代表交代論も?朝日新聞今野忍記者・産経新聞水内茂幸記者が、立憲民主党の党内政局を分析していきます。

【このトピックのポイント】

  • 選挙で好調「だから」代表交代論 立憲民主党のお家事情
  • 代表候補者は多士済々だが、政権運営力は……?
  • 共産党との「協力」戦略はどうなる?

「敵失」でイケイケモードの立憲民主党に代表おろしの声はなぜ?

衆院3補選で全勝した立憲民主党。9月に代表選が予定されていますが、泉代表は次期代表選について「2年半、作ってきた体制がある。『あとはお好きにやってください』と言えるかというと、それは無責任」と語り、続投への意欲を示しました。

水内茂幸氏「僕が聞いている限りでは、泉代表は非常にイケイケモードになっていると聞きますね。補選7連敗のあと、ここへ来て3連勝。データを見ても、これまで欲しくても離れてきた無党派層が乗ってくる状況を見て、俄然『勝ちモード』になっているのでは」

水内氏は、立憲民主党内部からの情報として、「候補者不足に悩む立憲民主党だったが、最近では『維新に行きたいような人が立憲民主党に来ている』」という情報を明かします。

今野忍氏「維新に行きたくて立憲、だからバッジつけたいだけの人ってことだよね。要チェックだよね、それ」

MC伊藤由佳莉「1年前までは150議席も厳しいというような様子でしたよね……」

今野氏は、「立憲民主党が何かしたわけでもないのに連戦連勝」と、この好調さが相対的なものであることを示します。

そんな立憲民主党の内部事情は。

今野氏「立憲が3勝したら泉おろしが起きるって話が立憲の中で出回ったんですよ。意味がわからないでしょ。全勝したら勢いに乗る。ひょっとしたら政権交代があるかもしれない。泉総理じゃまずい。泉おろしだって立憲民主党の中で。どういうことだと思った。しかも、立憲のそれなりの人が言うんですよね、複数」

水内氏「与党時代に閣僚を経験したような人からも聞いたことがあります。泉代表はものを決められない人。政権運営などできそうもないみたいなことを」

今野氏「結果出してるのに、なんで支えようとしないのか。民主党的な文化を感じちゃいますね」

立憲民主党、代表候補はさまざま取り沙汰されるが、政権運営の実力は?

立憲民主党の次期代表候補と言われるのは次のかたがたです。

  • 枝野幸男氏
  • 野田佳彦氏
  • 江田憲司氏
  • 馬淵澄夫氏
  • 小川淳也氏
  • 辻元清美氏
  • 重徳和彦氏

MC伊藤「代表選が近いから、いろいろな方が意欲を示していらっしゃる……」

水内氏「枝野さんはやる気まんまんですよ」

今野氏「もうブルペン入ってる。100球くらい投げちゃってる」

枝野氏は、代表時代に作った「枝野ビジョン」の改訂版を2023年に出したあたり、意欲を感じます。

現実的に政権を取った時のガバナンスを問うとなると、民主党政権時代の閣僚経験者を中心に、こうした動きは出てくるだろうという水内氏。

一方で今野氏は「一方で、いつまで同じ顔でやってんだよ、というのはなくはない」と挟みます。かつての野田政権は財務省にべったりしすぎたと、民主党政権時代の実態に踏み込みます。

とはいえ、野田さんを推す動きは大きいようです。

水内氏「党のそこそこの古参からは、野田さんは勝てるタイミングで出るべきだし出る準備はしていると思うよって」

ほかの人々は……

今野氏「江田さんも割と一匹狼的な人なんだよね。辻元さんは参院の全国比例になっちゃったんでね。代表になれないわけじゃないけど、衆院議員にいた時よりは、存在感が弱まっちゃってるよね」

若手では小川淳也衆議院議員と重徳和彦衆議院議員が挙がりますが、ここで小川氏に対する衝撃的なエピソードが出てきます。

今野氏「小川さんは、前回代表選に出る出ないってなった時、記者から走って逃げてたんですよ。意味わかんないんじゃないですか。(小川さんを取り上げた)『なぜ君は総理大臣になれないのか』って映画がブレイクしたけれど、僕はもう、走って逃げるからだってひと言言いたい」

今野氏「政治生命がかかる話だからナイーブになるのはわかるけど、記者から走って逃げます?めっちゃ速いんだよ。全力疾走。『今は答えません』でよくない?」

水内氏「そんな人が総理大臣ってねえ……」

過去の代表選の結果はこちらです。国会議員票と地方票がありますが、泉代表が出馬するとなると、同じくらいの得票が集まるのでしょうか。

ゲストの両名は、泉代表に推薦人が集まらないという懸念を示します。

今野氏「前回、小沢一郎さんが泉さん支持してるんだけど、何もポストもらえなくて、今はめちゃくちゃ泉健太批判してるから」

水内氏「去年かおととし、勉強会みたいなの作って、それこそ小川淳也さんを横に置いて批判してましたよね」

MC伊藤「ちなみに小沢さんがポストもらえなかったのは何か理由があったんですか」

今野氏「!小沢さんだからじゃないですか」

水内氏「ふつうに考えれば僕が代表でもちょっとねえ……」

今野氏「小沢さん幹事長にしようとはさすがに思わなかったでしょう、もういいだろうって」

立憲民主党では、ひとりの議員が複数の勉強会に加入することができます。派閥化を避けるためのこの動きが、「誰が誰を支援するか見えにくい構図」になっているとゲストの両名は説明します。

今野氏「自民党の派閥は1つしか入らない。体育会。立憲は何個入ってもいいサークル。全部足すとどっかの予備校の東大合格者数のノリ」

水内氏は、先月末に出版されたばかりの『一片冰心 谷垣禎一回顧録』で、谷垣氏が野党にエールを送りながらも、立憲民主党は55年体制から脱却できておらず、現代の政治スタイルにあった体制が取れていないと指摘していることを紹介します。

水内氏「谷垣さんは、二大政党制をちゃんとするには野党に頑張ってもらわなければならない。野党がしっかりしていないから自民党におごりがでたんだって言うんですけど」

ゲストの両名は、立憲民主党の政策づくりの甘さに言及します。

まずは、民主党政権時代の子ども手当。所得制限を課した上に減額もあったため、世帯によっては数万円規模の大増税になり、「子育て支援にならなかった」と振り返ります。

水内氏「扶養控除はいい制度だと思うんだけどなあ」

水内氏「最近の子育てプランでも、財源はってなると、また、行財政改革とか税の累進制を変えるとか、そういうものだけでちゃんとしたものがない」

水内氏「安全保障だって、安保の違憲部分の廃止って言ってるけど、この大変な環境で廃止していいんだろうか。敵基地攻撃能力・反撃能力の保有を岸田政権が出してきて、あれだって立憲の安保のあり方という紙を読むと、自民党が出したものは反対だというけれど、離島を守らなければいけないという感じでミサイルの射程を長くすることは賛成と訳わからない」

今野氏「二重なアレになっちゃうんだよね」

水内氏は、与党の批判はさておき、今の立憲民主党には、実際政権を獲得した時の安心感が薄いと説きます。

水内氏「これがないから6〜7%の支持率しかない」

今野氏も、マニフェストが実行できず、政権末期には財務省とべったりだった民主党政権を振り返り、今を「支持率が上がっちゃってる分恐いんだよね」と懸念を表します。

今野氏「もう10何年経ってるわけだから、あの時の総括からこういう失敗をしないんだ、しっかりしたものを示してやっていかないと。あの恨みは忘れてないと思うんですよね、期待が大きかっただけにね」

政党支持率や選挙結果は麻生政権末期に似てきたとはいえ、自民党批判が野党第1党である立憲民主党に集まっているだけだと、ゲストの二人は分析します。

共産党との選挙協力は「あいまい」「なしくずし」?

代表選びにあたり、ほかの政党との協力はどう考えていくのでしょう。

まずは共産党との協力。泉氏は代表就任時、日本共産党の選挙協力はいったん白紙に戻すと発言しましたが……

水内氏「でもなしくずしみたいじゃないですか

MC伊藤「(4月の)3補選は共産党と協力する形で勝利しました」

今野氏「この薬は効くんだみたいになっちゃってるよね」

党内でも、共産党と組んだほうがいいという声が高まっているようです。

水内氏は、枝野氏の「共産党から票をもらっても、目指す方向が違うので分けられる」という発言を紹介しますが、「共産党がなければ受からなかった人は、絶対受かった後に言うことを聞かざるを得なくなると思うんですよね」と懸念します。

考え方が大きく異なる部分のある共産党と、選挙の協力だけで済むのか。選挙が始まってからも答えが出ない問題としながらも、ゲストの両氏は「立憲民主党は『あいまい戦略』でやるだろうと思います」と予想します。

今野氏「共産党との距離感は難しい。共産党自身が小選挙区から出さないと票を減らしている。赤旗の購読者数も、党員数も減っている。共産党自体の衰退を止めるには、比例区だけでは戦えない。小選挙区との相乗効果で比例票を伸ばすのが共産党の戦略。何の見返りもなく小選挙区を全部下げるとは言えない」

9月には、自民党の総裁選と、野党第1党の立憲民主党の代表選、公明党の党大会が開催されます。選挙ドットコムちゃんねるでも、続々と情報をお届けしてまいります!

動画本編はこちら!

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選挙に連勝中でも代表交代?立憲民主党の党内政局を現役政治記者コンビが大分析!

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