今永昇太は「今まで運がよかった」...韓国メディア指摘 圧倒的な球威ないから「成績の落ち込みは予想できた」

韓国メディア「OSEN」(WEB版)が2024年6月6日、大リーグのシカゴ・カブスに所属する今永昇太投手(30)の特集記事を公開し、独自の視点から今永の投球を分析した。

今永は23年オフにポスティングシステムを利用して、DeNAからカブスに入団した。移籍1年目の今シーズンは開幕から好投を続け、5月2日のニューヨーク・メッツ戦で無傷の5勝目をマーク。防御率0.78で大リーグ全体のトップに立った。

「相手打者の目がボールやレパートリーに慣れ始めた」

ところがこの勝利を最後に勝ち星が遠のき、5月30日のミルウォーキー・ブリュワーズ戦で、4回3分の1を投げ8安打7失点(自責7)で今シーズン初黒星を喫した。

次戦6月5日のシカゴ・ホワイトソックス戦では4回3分の1、7安打5失点(自責1)。負けはつかなかったものの、2試合連続で5回途中降板となった。

6日時点で5勝1敗、防御率1.88。クオリティスタート(QS=6回以上を投げて自責点3以内)達成率は54.5%となっている。

今永の大リーグでの投球に注目している「OSEN」は、「「『今までは運が良かった、これからは...』日本特級・左腕にも危機が訪れた」などのタイトルで記事を展開した。

記事では、ここ2試合の乱調を取り上げ、打ち込まれ始めた原因を次のように分析した。

「圧倒的な球威のある投手ではないので、成績の落ち込みは予想されたことだ」とし、「今やそれに対する分析データも蓄積され、相手打者の目がボールやレパートリーに慣れ始めた。慣れない左腕のスプリッターに苦戦していた打者が対応し始めただけに、今永にも変化が必要だろう」

「今永のペースは5年前のリュ・ユンジュンの威厳を思い起こさせる」

同メディアは、ロサンゼルス・ドジャース、トロント・ブルージェイズでプレーした自国の英雄、リュ・ヒョンジン投手(現ハンファ・イーグルス、37)と今永を比較し、リュが大リーグで成し遂げた功績をたたえた。

「開幕後11試合で1点台の平均自責点を維持している今永のペースは、5年前のリュ・ユンジュンの威厳を思い起こさせる」と切り出し、リュのドジャース時代の投球を振り返った。

記事によると、リュは開幕から8月中旬まで防御率1点台をキープしていたが、8月下旬から9月上旬にかけて調子を崩した。3試合連続で乱調が続き、防御率が2点台になったという。

これが影響して19年シーズンは、防御率1点台はならなかったものの、防御率2.32で最優秀防御率のタイトルを獲得した。

記事では「開幕から4か月以上、防御率1点台を維持したこと自体が驚きで、今永が開幕から2か月が過ぎた時点で防御率1点台となったことを考えれば、リュがいかにすごかったかが分かる」と称賛した。

リュは24年に古巣・韓国プロ野球のハンファ・イーグルスに復帰し、6月6日時点で4勝4敗、防御率2.75。

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