マカオ、特殊詐欺の受け子とカネの取りまとめ役の男2人逮捕

警察が公開した特殊詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局は6月5日、マカオで発生した特殊詐欺(電話詐欺)に絡み、いわゆる受け子の香港人の男1人、またこの男が属していた詐欺グループのメンバーで、カネの取りまとめ役のマカオ人の男1人の計2人を逮捕したと発表。

 同局によれば、同月4日、マカオ市民から特殊詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。同日、被害者のもとに”娘”を名乗る女から傷害事件の示談金として20万パタカ(日本円換算:約387万円)が必要となり、追って弁護士が受け取りに行くとする電話があり、これを信じて訪問してきた弁護士を名乗る男に現金を渡したが、その後に再び「娘」から同額を要求する電話があり、不審に思って警察へ通報するに至ったという。

 通報を受けた同局が配備を整え、同日午後に被害者宅を再び訪ねてきた受け子の男を現場で逮捕。その後の捜査で、受け子の男は詐欺グループの指示を受けて上述の被害者を含む2人のターゲットから現金を受け取るためマカオ入りし、同局が2人目の被害者に連絡を取って確認したところ、同様の手口で現金10万パタカ(約193万円)が詐取されていたことが判明。また、受け子の男は被害者から受け取った現金を2回にわたって上役に当たる男に渡し、最終的にカネの取りまとめ役のマカオ人の男に流れていたこともわかり、同日夜にこの男が中国本土からマカオへ戻ったところをイミグレーション施設内で逮捕したとのこと。

 カネの取りまとめ役の男は同局による調査への協力とカネの行方に関する説明を拒否しているというが、同局は受け子の男を含めて相当巨額詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、他に関与したとみられる逃走中の人物の行方を追っているとした。

 同局は本件を受け、家族や友人を騙って支払い解決への協力を求める電話があった場合、必ず直接相手に連絡をして確認を行い、電話をかけてきた相手の言いなりになって騙されることのないようにしてほしいと呼びかけを行った。

 マカオでは前週にも同様の事件が発生し、掛け子と受け子のいずれも香港人の男女が逮捕されている。

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