小さな村を富裕へと導いた英語教師 中国四川省内江市

小さな村を富裕へと導いた英語教師 中国四川省内江市

4日、シソの苗を視察する方家溝村の駐村第一書記、劉栄亮さん(左)と村党総支部書記で村委員会主任の粟紹全(ぞく・しょうぜん)さん。(内江=新華社配信/姜暁鳳)

 【新華社内江6月7日】中国西部に位置する四川省内江市東興区高梁鎮方家溝村はかつて、平凡で小さな村だったが、一人の英語教師により、村の集団収入は2021年の1300元(1元=約22円)余りから23年には46万元にまで増加し、富裕への道を実現した。

 同村は省の農村振興重点支援県に指定されており、総人口は2826人で、805世帯が暮らしている。内江市第十二中学(中学・高校)で高校の英語の従業を担当をしていた劉栄亮(りゅう・えいりょう)さんは21年8月、同村の駐村(村に常駐する)第一書記に任命された。劉さんは「以前は教育を通じて、現在は村への常駐を通じて農村振興に奉仕しており、目的は同じだ」と話す。

小さな村を富裕へと導いた英語教師 中国四川省内江市

4日、村民(右)とやりとりする劉栄亮さん。(内江=新華社配信/姜暁鳳)

 議論や視察、検討の結果、劉さんと村の幹部たちはオンライン誘致の道を見つけ、村のインフラや土地の様子などのショート動画撮影を学び始めた。さらに、動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」や短編動画アプリ「快手(クアイショウ)」、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」などSNS(交流サイト)のプラットフォームを用いて宣伝やプロモーションを行ったところ、徐々に投資家が相談に訪れるようになった。

 村民が大豆の種まきをしている食用バラ栽培地は、オンライン誘致を通じて招き入れた投資家が所有しており、今年3月から、130ムー(約9ヘクタール)の土地に食用バラをを次々と植えてきた。

小さな村を富裕へと導いた英語教師 中国四川省内江市

4日、英語の授業を行う劉栄亮さん。(内江=新華社配信/姜暁鳳)

 統計によると、同村はオンライン誘致会を300回以上開催し、7社の誘致に成功。家庭農場(家族労働を主とする専門的な農業経営体)と専業合作社(協同組合)5カ所の発展を促進し、バナメイエビの養殖場1カ所のほか、「麦の穂工芸品加工工場と栽培拠点」「シソ精油生産工場と栽培拠点」「食用バラ生産工場と栽培拠点」を作り上げてきた。さらに、間作、輪作モデルを採用し、食用バラやヤクモソウ、スイカ、大豆、トウモロコシなどの経済作物や食糧作物を4400ムー(約293ヘクタール)余りにわたって栽培し、近隣住民500人以上の雇用を創出した。(記者/童芳)

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4日、食用バラの間に大豆の種をまく村民。(内江=新華社配信/姜暁鳳)

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