両親や祖父母へのギフトに最適かも? 音声をはっきり聴くことができるテレビ用ワイヤレススピーカーを東芝が発売

東芝エルイートレーディングはテレビと接続して、テレビの音声を手元のスピーカーで聴くことができるテレビ用ワイヤレススピーカーを発売する。人の声の強弱を2段階で調整できる声はっきりモードを搭載し、音声を聴き取りやすくしているのが特長だ。

AUREXのテレビ用ワイヤレススピーカーTY-WSD20

送信機と受信機、充電台の3つの機器で構成

近年、テレビと接続してテレビ番組の音声を手元のスピーカーから出すテレビ用スピーカーが、スピーカー市場で徐々に存在感を高めている。BCNランキングの集計でワイヤレススピーカーカテゴリの上位に、テレビ用スピーカーがランクインすることもあることから実際に売れていることが分かる。

テレビ用スピーカーの伸長理由として考えられるのは、集合住宅での近隣に対する配慮や家庭内に乳児がいる、料理や食事の後片付け中のテレビ視聴などのユースケースだ。特に高齢者が加齢による音声の聴き取りにくさを補完するために使用するのは、テレビ用スピーカーの代表的な用途といえるだろう。

東芝ライフスタイルのグループ会社で、AUREXブランドのオーディオ機器を展開している東芝エルイートレーディングのテレビ用ワイヤレススピーカーの新製品はTY-WSD20(以下、WSD20)。TY-WSD11(以下、WSD11)の後継機種で市場想定価格は1万9000円前後、発売は6月中旬の予定だ。

TY-WSD20はハンドル付きで場所を選ばず使用できる

WSD20は前モデルのWSD11と同様に送信機と受信機、充電台の3つの機器で構成されている。送信機はテレビと接続し、2.4GHzの周波数帯でスピーカー内蔵の受信機に音声を送る。充電台は受信機を置くと自動的に充電し、充電台を使わず受信機からアダプタ経由でコンセントに接続して充電することもできる。

WSD11と比べてサイズがコンパクトで軽量になり、受信機のハンドル部も固定から折りたたみ式に変更。部屋を移動したり、置き場所を変えたりする時の持ち運びはさらに楽になった。

同梱の3つの機器(左)と接続イメージ

光デジタル入力対応でクリアな音声を再生

WSD11では、テレビと送信機をステレオミニジャックで接続していたが、WSD20ではこれに加えて光デジタル入力にも対応。付属の光デジタルケーブルでテレビ側の光デジタル端子と接続することで、デジタルによるノイズの少ないクリアな音声を手元のスピーカーで聴くことができるという。

受信機の天板部分には操作パネルを配置し、電源のオン/オフや一時的な消音、スピーカーの音量調整が一箇所で操作可能。受信機にはヘッドホン端子と3.5mmステレオミニジャック用の外部入力端子も搭載しているため、ヘッドホンやイヤホンを接続して音声を聴くことや外部出力端子付きのAV機器と接続して音楽などを内蔵スピーカーで楽しむこともできる。

また、送信機にも外部入力端子を搭載し、送信機とAV機器を接続することでAV機器の音声を離れた場所で聴くことも可能だ。

受信機の外部入力端子でオーディオ機器と接続して音楽を楽しむことも可能

テレビからの音声信号が約30分間途絶えると送信機は自動的に電源オフとなり、受信機も連動して電源がオフとなる。送信機が自動電源オフになった後、再度テレビの電源がオンになって音声信号が伝わると送信機の電源は自動的にオンになる。ただし、受信機の電源は自動的にオンにはならないので、電源スイッチを一度「切」にしてから「入」にする必要がある。

これら自動電源のオン/オフは、送信機と受信機に搭載されているLEDの色と点灯・点滅で表示され、目視で確認できるので便利だ。

声を聴き取りやすくする音声はっきりモード搭載

人は加齢によって聴力が低下する。音声には幅広い周波数帯の音が混在しており、高齢者では特に高い周波数帯の音が聴き取りにくくなる傾向がある。親や祖父母が観ているテレビの音量が大きいと感じた経験を持つ人は、結構いるのではないだろうか。

ドラマや映画などでは演者の音声に効果音や背景音などの音が被さるため、音声がさらに聴き取りにくくなる。

WSD20は、人の声の強弱を調整できる「声はっきりモード」を搭載している。これはスピーカーから再生される音声を小と大の2段階のレベルで調整して、文字どおり人の声をはっきりと聴き取りやすくする機能だ。

声はっきりモードは操作パネルのスライドバーで切り替える

声はっきりモードの原理は、音声の特性に合わせて周波数帯をイコライザーで調整するというもの。切はそのままの周波数帯で、小は低周波数帯を減衰させて中~高周波数帯を増幅、大は小よりもさらに低周波数帯を減衰し、中~高周波数帯もさらに増幅する。

この周波数帯の調整により音楽番組などの視聴では切、スポーツやドラマ、映画などでは小、ニュースや情報番組、ドキュメンタリーなどの人がメインとなる番組では大に切り替えることで、音声が聴き取りやすくなるという。

音声の周波数帯を減衰・増幅して声を聴き取りやすくする

WSD20はデジタルワイヤレス方式により、受信機を送信機から約30m離れた場所に置いても映像と音声のズレが少なく、快適にテレビ番組の視聴を楽しめる。

前述のような用途に加え、寝室で枕元に置いて使用することもでき、いろいろな使用シーンでの活用に対応している。その活用方法の中で、やはりおすすめは高齢者の聴き取りにくさの解消。自分用はもちろん、両親や祖父母へのギフトとして検討してみるのも一考だ。

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