RBのドライバーラインアップ選択は“贅沢な問題”とマルコ。ローソンに加え、岩佐やハジャルにも言及

 レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、レッドブルは2025年にRBのシートを埋めるドライバーを選ぶにあたって、“贅沢な問題”に直面していると述べている。

 今週、レッドブルF1のドライバーラインアップが落ち着き、セルジオ・ペレスが契約を結んでさらに2年間マックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めることになった。現在の焦点は、ドライバーについての難問が待ち受けていると思われるRBに移っている。

 RBのCEOを務めるピーター・バイエルは最近、角田裕毅とダニエル・リカルドのふたりに満足していることを表明した。RBにおいて角田の在籍期間を延長する理由は十分にあるが、リカルドが今シーズンこれまでのところ若いチームメイトのペースに常に追いつくことができていないことを考えると、彼のチームでの将来が同様に安全だとは考えにくい。

2024年F1第8戦モナコGP 角田裕毅(RB)
2024年F1第8戦F1モナコGP ダニエル・リカルド(RB)

 レッドブルにはリザーブドライバーであるリアム・ローソンがおり、RBはレッドブルのシートのひとつを獲得する能力を持つ若い彼を2025年に起用することができる。ニュージーランド出身のローソンは昨年、負傷したリカルドの代役として5レースに出場し、その素晴らしい才能をはっきりと示した。しかし、レッドブルがこの22歳のドライバーをどうするつもりなのかは不明だ。

「リアム・ローソンがリザーブドライバーを務めているので、彼が2025年に我々のシートを得られなかったとしても、契約上はもうひとつのチームで走ることができる強力なドライバーがいることになる」とマルコは『Kleine Zeitung』に語った。

「そうした意味では、今年彼がF1に出場するのを見てより明確なイメージを持てるといいのだが、それは複雑な問題だ。物事がどのように進展していくかを見守る必要があるだろう」

レッドブルとRBのリザーブドライバーを務めるリアム・ローソン

 2025年に向けたRBのさまざまな選択肢について質問されたマルコは、チームのドライバーについての難題を“贅沢な問題”と表現した。マルコは、傘下にいるもうひとりの日本人ドライバーであり、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦している岩佐歩夢をF1に昇格させる可能性を示唆し、RBをめぐる謎をさらに増やした。一方でレッドブルは、FIA F2選手権で優勝経験を持つフランス人ドライバーのアイザック・ハジャルのパフォーマンスも注視しているという。

「角田に加えて、素晴らしいレースをしているホンダのドライバーがもうひとりいる。それは岩佐だ」とマルコは説明した。

「彼は、今年スタートが悪かったことが2回あったため、まだレースで勝てていないが、それでもチャンピオンシップでは3位につけている。このふたりの日本人ドライバーは我々と長期契約を結んでいるので、長期的にどうなるか見守らなければならない」

「我々にはF2で非常に好調なハジャルがいるし、(ペペ・)マルティもいるが、彼はまだミスが多すぎる。ハジャルに関しては、最初のレースでクラッシュしたこと、そして勝てるポジションにいたときに2度も技術的な問題に見舞われたことを忘れてはならない。彼はそれでもチャンピオンシップで2位にいる。今年のチャンピオンシップにおいて最も速く、最も安定したドライバーのひとりであることは間違いない」

 マルコは、復活を見せたレッドブルの人材グループはF3にまで広がっていると語った。

「F3にも速い選手がいる。数年前は、我々のジュニアドライバーは十分なパフォーマンスを発揮できないだろうと言われていたが、そう言っていた人たちは今何と言うだろうか?」

2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス ポールポジションを獲得した岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
2024年FIA F2第5戦モンテカルロ フィーチャーレース終了直後のアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)

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