リニア期成同盟会の総会 静岡県知事が変わり開業は早まるか 来賓議員「反対同盟会ではなく促進同盟会」

テレビ愛知

リニア中央新幹線の建設を推進する沿線自治体で作る「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」の総会が6月7日行われ、早期全線整備に向けて、協力して要望活動を行うことなどが決議されました。

早期開業が期待されるリニア中央新幹線。静岡工区では、大井川の水問題や生態系の保全などの課題を抱え、未だ工事が進んでいません。JR東海は2024年3月、目標としていた2027年の開業を断念しました。

そうした中、6月7日に行われたのは、「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」の総会。沿線の自治体のトップらが早期実現を目指して、一堂に会しました。

今回からは、新しく静岡県知事に就任した鈴木康友知事も初出席。川勝平太前知事は、大井川の水問題などを理由に、工事を認めていませんでしたが…

静岡県 鈴木康友知事:
「現行ルートでの整備、スピード感をもって課題解決に向けた取り組みを進めるとともに、まずは品川ー名古屋間の開業、その後、大阪までの全線開業を目指す立場を共有している。一方で、水と環境の問題はないがしろにはできない。

本県は、リニアの整備と大井川の水資源、および南アルプスの自然環境の保全との両立に向け、国と協力をして、スピード感を持ってJR東海との対話を進めていく。そして、リニアの早期全線開業に向けて、同盟会を構成する各都府県と結束し、一丸となって取り組んでいくので、どうぞよろしくお願いします」

来賓からはこんな声も…

古屋圭司 衆議院議員:
「おそらく沿線の知事が集まったのは今回が初めてなのでは。そういう意味では非常に記念すべき一日。2023年までは、ややそうじゃなかった。前静岡県知事は私も一生懸命口説いて、期成同盟会に入ってもらった。

これは建設反対同盟会ではなく、建設促進同盟会なので。最終的に静岡県知事に鈴木知事が就任されたが、はっきり推進をされている。どうか沿線の各知事、これで一枚岩なので、推進をしていただくように心からお願い申し上げる」

一方、今年に入り、トンネル掘削工事で地下水が流れ出し、井戸が枯れるなどの水問題を抱える岐阜県の古田肇知事は…

岐阜県 古田肇知事:
「こうしたいろんな課題が出てくるのは、やむを得ないが、いったん立ち止まって一つ一つ見直していく。急がば回れという精神が大事だと思っている。もう1つは、地域の皆さんとの信頼関係、関係者相互間の信頼関係を大切にしていくことが大事。急がば回れ、信頼関係を大切にこの2点を大事にしっかりと前に進んでいきたい」

期成同盟会の会長を務める愛知県の大村秀章知事は…

愛知県 大村秀章知事:
「できる限り早期に東京ー名古屋間を開通して、そして引き続き大阪まで全線開業をさらに、早期に進めていければと思う。今後とも連携しつつ、1日も早い全線開業に向けて進んでいきたい」

総会では、早期全線整備に向けて、協力することなどが決議されました。

今回の総会でまとめられた要望では、工事が進んでいない静岡工区について、国とJR東海が、工事の早期着手を図り、開業時期を示すことが盛り込まれました。

総会を終えた一行はその後、国土交通省を訪問。斉藤鉄夫大臣に要望書を提出しました。続いて岸田総理を訪問。要望書を受け取った岸田総理は「国家プロジェクトとして1日も早い全線開業に向けた取り組みを進めていく」と語りました。

全線開通に関し、JR東海の当初計画では、2045年となっていましたが、政府は3兆円の財政投融資を行い、最大8年間の前倒しを図っています。

今回、岸田総理は現行の想定時期のもと、リニアの整備が適切に進むよう、必要な指導と技術的な支援を行うとしており、今回の指示によって、全区間で開通に向けた動きが加速するのか、今後の動向にも注目が集まります。

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