いまが青春真っただ中!シニア世代のサッカーチーム かつての夢へ…同級生コンビの挑戦

シニア選手たちが全国の頂点を目指す大会が、8日からにかほ市で始まります。

県内からも2チームが出場。

このうち1チームは、中学・高校時代の「同級生コンビ」が勝利のカギを握っています。

目指すは全国制覇。

若かりし頃果たせなかった、夢に挑みます。

純白のユニフォームに映える、シルバーヘア。

無理できないと分かっていても夢中になるのは、選手の性。

全国から集結するシニアイレブンに、秋田の代表が挑みます。

絶対に負けられない、そして、絶対にケガは避けたい戦いに欠かせないのは、入念な準備運動。

本番までは、あと1週間です。

程よく動き、程よく休みながら、豊かな人生を送ってきたシニアの選手たち。

全県から集まったベテラン選手で活動するサッカーチーム、「秋田シニアサッカークラブ」は、8日からにかほ市で始まる、全国大会に出場します。

クラブが出場する全国大会は、JFA・日本サッカー協会が主催する大会です。

2021年に秋田で行われる予定でしたが、コロナ禍の影響で中止となり、今年、改めて開催されることになりました。

大会は、60歳以上の「O-60」、さらに、70歳以上の「O-70」がそれぞれの頂点を目指す大会で、秋田シニアサッカークラブは、「開催地枠」のチームとしてどちらの部にも出場します。

取材した日、クラブは、県内で切磋琢磨する良きライバルチームと本番を想定した試合に臨みました。

県内には秋田シニアサッカークラブのほか、3つのシニアチームがあります。

「十分注意して、ケガのないように。あの、あまり…無理しないように楽しんで、今日もいい仲間とサッカーやりましょう!以上!」

選手に声をかけているのは、76歳の石川勤さん。

クラブの代表を務めながら、自身も試合に出場し続けています。

38年間、由利工業高校で教鞭をとり、サッカー部をインターハイに導くなど、指導者経験も豊富な石川さん。

来る全国大会でO-70のチームは2人の「若手」選手が勝利のカギを握っていると話します。

秋田シニアSC 石川勤 代表

「佐藤一朗、渡邉京一のディフェンスラインだと思っています。これ中学校1年生からチームメイトで60年もやっているメンバーですので、息もピッタリですし。今考えているのは、(2人が)“防波堤”で1点もやらずに、ショートカウンターで1点取って勝つ」

堅い守りから勝利を目指す秋田シニアサッカークラブのO-70。

その“防波堤”となる2人は…

端正な顔立ちから「仁賀保のスタローン」と言わしめ、現在は秋田県サッカー協会の会長を務める、佐藤一朗さん70歳。

冷静な判断と堅い守りで「秋田の壁」になる、渡邉京一さん70歳。

O-70若手の2人は仁賀保中学校と由利工業高校で6年間、ともにプレーしました。

藤田裕太郎アナウンサー

「お二人の若い頃の写真を見せてもらいましたけど…今もそうですけども、端正なお顔立ちで…お二人モテたんじゃないですか?」

渡邉京一さん

「どうですかね一朗さん?」

佐藤一朗さん

「もてる…このくらい持てる(そばにあった小物を持つ)」

渡邉さん

「ふははは」

藤田アナ

「そういうことじゃなくて」

こちらのカウンター攻撃を味わい深くかわした、ベテランコンビ。

70歳を過ぎてもサッカーを続けているとは夢にも思わなかったといいます。

佐藤さん(秋田県サッカー協会会長)

「やっぱり仲間がいて、チームがあってこそ今までやってこれたので、仲間に本当に感謝したいと思います。報道陣の皆様にも本当に感謝いたしたいと思います、本当に」

藤田アナ

「会長色がちょっと強く出ちゃいましたね」

渡邉さん

「地元で開催される、70で全国大会っていうのは一生で一回だと思うので、地元の利を生かしながら。やっぱり大切なのは初戦。リーグ戦の初戦が一番大切なので、ここをまずは絶対負けないと」

全国大会の初戦の大切さを語った渡邉さんは、己に勝つための戦いも続けています。

フィジカルのポテンシャルは無限大の渡邉さん。

実は、現在のJ1・名古屋グランパスの前身・愛知のトヨタ自動車工業サッカー部に加入し、Jリーグ発足前の日本リーグでプレーした経験もあります。

現在70歳の渡邉さんは、これまでもねんりんピックやマスターズ大会などで全国の強豪に挑んできました。

戦い続けてきたのは、果たしたい夢があるからです。

藤田アナ

「全国の頂点には?」

渡邉さん

「それはね、やっぱりね、一度はなってみたいですよね。高校でも果たせなかった。チャレンジする。今回地元だってことで。まぁ、心の奥では…」

渡邉さんだけでなく、イレブンの思いは同じ。

秋田シニアサッカークラブの目標は「全国制覇」です。

年齢に抗いながらもボールを追い続け、再びたどりついた大舞台。

秋田シニアサッカークラブのO-70は、初戦で去年のチャンピオンチーム・兵庫県選抜と対戦します。

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