休養中の星野陸也が渡米前に「完治」の報告 全米OPに向けて「急ピッチの練習とトレーニング再開」

完治し、出国前に差し入れを持ってきた星野陸也(撮影:ALBA)

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日目◇7日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース (茨城県)◇7430ヤード・パー71>

国内男子ツアー今季メジャー初戦に出場するはずだった星野陸也が会場を訪れ、取材に応じた。

星野は4月の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」前週の日曜日に肺から空気が漏れる「気胸」と診断され入院。約1カ月間のあいだ試合には出られなかったが、来週13日(木)から始まる海外メジャー「全米オープン」で復帰する。土曜日の渡米を前に、男子ツアーの関係者や報道陣に挨拶とフロマージュの差し入れをしに来てくれた。

症状が出た当時のことについて明かした。「ISPSの前週の日曜日に前乗りして、ホテルにチェックインをして、夕方ぐらいから少し呼吸しにくいなと思って」と違和感があった。もともと疲れを感じると酸欠になることがある星野は「大丈夫なのかなと思ったんですけど、夜寝ようとしたときに寝られなくて」とさらに症状が悪化。

「けっこう呼吸がしづらくて。右の肺が痛かったのもあり、近くの救急病院に行って検査したら『右の肺が気胸で機能していなかった』ので、救急車で大学病院に行って、すぐにオペしてもらいました」

「病院の先生に素晴らしい処置をしていただいて、すぐ退院できました」と5日間の入院で済んだことを報告。「いまは完全に治って」と退院後の約1カ月間は安静にし、先月25日から「急ピッチの練習とトレーニング再開」をした。体の状態は悪くなく、「(体調の)戻りも早かったので、ホッとしてる部分もある。体重、筋力は戻りました」と練習に励んでいる。

今大会にも出場する予定だったが、休養中に「全米オープンに出ることが決まったので」と万全な体調で海外メジャーに挑むためにも、今回は辞退を決断。その裏には星野のやるせない思いがあった。「まず、ISPSの試合は日本での久しぶりの試合。すごく楽しみにしていたので、そのぶん悔しかった。ファンの方など応援に来る予定だったので、みんなの前でプレーできなくて申し訳ない気持ちでした」と心の内を明かした。

出られない試合が続き、世界ランキングは105位。日本勢では4番目の位置で、五輪の代表メンバーに選ばれるためにも全米オープンは頑張らないといけない。「ラストチャンスがあるので、試合が始まるまでにうまく調整して、そこの一発逆転もできたらいいなと。諦めてはいない。その直近もいい成績を出して選ばれるように頑張っていきたい」と話した。

全米オープンは4回目の出場。「さっきラウンジでトッド・ペクさんに久々に会って、(コースの)話を聞きました。『かなり難しいよ』みたいな。78切ったことないらしいです。難しいですね」と今年の開催コースパインハーストを警戒。あす出国し、少し早めに現地で準備を進めていく。

試合は3月のDPワールド(欧州)ツアー「ポルシェ シンガポール・クラシック」以来となる。来週は、星野の復活劇が始まる。(文・高木彩音)

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