中国と肉薄した伊藤美誠の現在に迫る! 「すごいトラウマ」と同年代のライバル・加藤美優も震える一撃とは!? 【卓球ジャパン!】

【見逃し配信】WTT最高峰の戦い「サウジスマッシュ」|https://youtu.be/T3ytsN4m9oc

6月1日放送の『卓球ジャパン!』は、日本女子黄金世代のひとり、伊藤美誠(スターツ)をピックアップ。同世代のライバル・加藤美優をゲストに招いて、世界が恐れる"大魔王"の現在のプレーに迫った。

5月上旬のWTTサウジスマッシュ準々決勝で世界ランク3位(大会当時)の王芸迪(中国)と対戦した伊藤。過去の対戦成績は2勝7敗で直近3年間は4連敗を喫している難敵だが、伊藤が素晴らしいプレーを見せて互角の勝負を繰り広げた。

第1・2ゲームを奪われて、第3ゲームから伊藤が本領を発揮。

まず加藤が注目したのは、フォア前に来るサーブをバックで回り込んで一撃で仕留めるフリックレシーブだ。過去何度もこのフリックを食らった経験のある加藤は「すごいトラウマです......」と告白。

「しゃがみ込みサーブでめっちゃ下回転切ったと思ってもバーンってやられちゃう。スマッシュって思うぐらいのフリックが来る」とそのすごさを語った。

またMC平野早矢香が注目したのは伊藤の積極的なフォアハンドプレー。

「この試合に関しては"スマッシュでいけるボールは全部スマッシュしてやろう"っていうぐらいの気持ちを感じました」というように伊藤がスマッシュを連発。フォアサイドでのストレートへのスマッシュ、回り込んでのバックストレートへのスマッシュというようにコースの厳しさも際立った。

「伊藤選手は元々スマッシュがすごくうまくて、でもその後ドライブもうまくなって逆にドライブを使いすぎてしまった。今回は意図的にスマッシュをいっぱい使おうって考えたのかもしれない」と加藤。

スマッシュは決定力が高い分ミスしやすい。ゆえにほとんどの選手が安定性に勝るドライブを多用するが、リスクのあるスマッシュをここまで使いこなすことができるのが伊藤の強みであり、自分の武器を最大限に活かそうという強い意志が見える今回の戦いぶりだ。

またレシーブの多彩さも注目ポイントのひとつで、第3ゲームの中盤では相手の長めのサーブに対して横回転をかけたバックドライブで返球。「普通のドライブじゃなくてチキータみたいに横回転をかけている。相手の意表をつくプレー」と斬新なテクニックに平野も驚かされた。

第3ゲームを奪った伊藤は、第5・6ゲームも取って、勝負の行方は最終第7ゲームにもつれこむ。

最終ゲームで平野、加藤ともに注目ポイントにあげたのが「バックハンド」だ。

「以前は攻めて攻めて、少しナックルを混ぜるというプレーだったけど、今回はそれプラス横回転がすごい増えた」と加藤は分析。

序盤では王芸迪の強烈なフォアドライブに対して、若干後ろに下がりつつ横回転をかけながらゆるめのバックハンドで返球。相手のタイミング、距離感をずらす巧みなプレーだ。

またバック連打で得点したラリーでも強打で押すだけではなく、一度横回転でタイミングを外してから高速バックハンドでたたみ掛けた。

終盤はミスも出て惜しくも勝利はならなかったが、より多彩に、よりアグレッシブに進化した姿を見せてくれた伊藤。

戦友である加藤も「横回転で変化をつけてからフォアスマッシュというのは、新しい得点パターンにつながってくると思うので、次の試合もかなり期待できると思います」と期待を寄せた。

そして番組後半の実演コーナーでは、今回伊藤も駆使した逆チキータを「ミユータ」の使い手の加藤がスペシャル解説。スーパースロー映像では、かなり手首を曲げながら打っていることも明らかになった。

使いどころとしては「ツッツキレシーブを待っている相手に有効」と加藤。「(相手は)下からのスイングで準備をしているので、似たような入りから上回転にできるとオーバーミスを誘える」と解説した。

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