武義高校・学びとビジネス架け橋プロジェクト BISITS宮島代表「岐阜でも面白い事業できる」

ECビジネスをテーマに出前授業をする宮島大輔さん=美濃市泉町、武義高校

  岐阜県美濃市にある県立武義高校は今年度から、年間を通じて実践的なビジネスを学ぶ独自の取り組み「学びとビジネス架け橋プロジェクト」を始めました。地元企業や官公庁などから招いた多彩な講師陣が出前授業を行っています。5月の授業では、オンラインビジネスについて若き経営者が講義し、生徒たちに刺激を与えました。

  このプロジェクトは、生徒たちに実社会に即した学びの場を提供し、将来の進路選択や職業選択に生かしてもらおうと企画されました。

  プロジェクトの狙いについて、商業科主任の原美潮さんは…
「社会に出て働くということが素晴らしいこと、自分が一生懸命働くことによって社会貢献できること、社会の中の一員として生き生きと働いてもらいたい」

  5月9日に行われた出前授業の講師は、武義高校の卒業生で、コンサルタント会社BISITS代表の宮島大輔さん。宮島さんは、中小企業の財務コンサルティングをはじめ、美濃市を拠点に日本製の良質な生地をEC(Electronic Commerce=電子商取引)ビジネスで国内外に展開するなど、新規事業の立ち上げにも多数関わっています。

  宮島さんの講義から
「ECとは何かというと、電子決済といわれていて、EC事業をやろうと思ったら間違いなくマーケティングが必須となる」

  宮島さんは、成功例の一つとしてSNSの活用法を挙げ、一時期インスタグラムでのライブ配信をほぼ毎日行い、フォロワーとの信頼関係を構築した自身の経験も明かしました。

  宮島さんの講義
「ECサイトを作ったとしても全然売れない。それが企業では困りごとになっている。誰が売っているのかが、すごく重要。目に見えてこないところでも企業努力をしないとモノなんて売れない」

  また、戦略的な価格設定にも言及。顧客を引き付けるオンラインビジネスのノウハウを伝えました。

  宮島さんの講義
「むしろ赤字だけど人を引き付けるために300円で出品しながら利益を取れる商品を販売していく。利益を取る商品と取らない商品をちゃんと分けながら。こういう戦略を組み合わせていくからこそ、EC事業が成り立っている」

  講義を終えて、生徒たちは…。
ビジネス情報科3年の石原愛子さん
「将来、活用できたらと想像力が膨らむのが楽しかった」
ビジネス情報科3年の古川音彩さん
「売る側と買う側の両面で考えながら自分なりに考えて学んでいきたい」
ビジネス情報科3年の兼松楓夏さん
「私は将来 美濃市に戻ってきて美濃市のためになる活動をしたいと思っているので美濃市でもこんなすごい企業活動ができているんだと思って参考になった」

  BISITSの宮島大輔代表が、後輩たちに伝えたかったことは…。
「美濃市、岐阜県の中の田舎でも面白い事業ができる。一番身近なビジネスはオンラインショップで、今だったら誰でもショップを開設できるし、メルカリなどで誰でも商品を出品できるということで、身近なところを究めていくと大きなビジネスになるということを伝えられたらうれしいと思っていた。この授業を通してそれぞれが自分の将来のことを高校生のうちから考えながらその中でお金のことや収益を立てることがイメージでき、この岐阜県で起業してそこに人が集まってくるような好循環が生まれてこればいい」

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