遊撃試合出場球団記録に王手…ソフトバンク今宮健太が見据える「やるからには一番上」原点は一つのミス

4回無死一塁、DeNA・牧の打球を捕り二塁にトスし併殺につなげる今宮(撮影・伊東昌一郎)

◆日本生命セ・パ交流戦 DeNA1―10ソフトバンク(7日、横浜)

10―1と大勝した中、ホークス一筋15年目の今宮が節目の記録に王手をかけた。7日のDeNAとのカード初戦に「2番遊撃」で先発出場。前身の南海でプレーした小池兼司が持つ1494試合の遊撃手での球団出場記録にあと1と迫った。

シーズン前から「そこは一つの通過点」と話していたが、この日は「試合に使っていただいた全ての監督、コーチに感謝しかない」と語った。その上で「ただ、やるからには一番上を目指したい」。球団記録更新はもちろん、松井稼頭央が持つ1531試合のリーグ記録更新に照準を定めた。

守備の名手に贈られるゴールデングラブ賞は2013年から5年連続受賞した実績を持つ。守備へのこだわりは「取れるアウトを確実に取ること」と実にシンプルだ。その背景には「一つのミスが自分の出発点としてあるので」と振り返る。

今宮を知る者なら誰もが鮮明に記憶する12年4月18日のオリックス戦。1点ビハインドの八回に守備固めで遊撃に就いていた今宮は1死満塁の場面で痛恨の適時失策を犯し、試合中にもかかわらず悔し涙をこぼした。

試合も敗れて「この悔しさは絶対忘れない」と誓った。それから12年がたち、球史に残る名遊撃手としてリーグ新記録も視界に捉えた。そんな男が内野の要として目を光らせ続ける。頼もしい限りだ。(石田泰隆)

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