板柳小統合 住民投票へ/南小改修か、校舎新築か/町議会、改修の予算案否決

 青森県板柳町内の4小学校統合計画を巡り、同町議会は定例会最終日の7日、板柳南小を改修して統合小とする関連事業費を盛った2024年度一般会計補正予算案を反対多数で否決した。反対した議員は、板柳南小を改修するか、板柳中学校の隣に新校舎を建てるかを問うとして、住民投票条例案を議員発議で提案、賛成多数で可決した。

 住民投票は同日から90日以内の日曜に行われる。投開票日などは今後決定する。町はこれまで、板柳南小を改修して28年4月に統合小を開校する計画を示してきたが、日程的に実現が厳しい状況になった。

 本会議では、これまで校舎新築を訴えてきた工藤貢議員(公正会)が質疑で「(統合小校舎の新築を求める)請願書やパブリックコメントの声を無視できない」と主張。補正予算案は議長を除く11議員による起立採決の結果、賛成5、反対6で否決された。

 その後、工藤議員は「議員の間でも意見が割れている。小学校の統合を前に進めたい」として住民投票条例案を議員発議で提案。採決により賛成7、反対4で可決された。

 閉会後の取材に葛西健人町長は「議会の理解を得られるよう住民に説明してきたが、(再び事業費が)否決されて残念」と語り、住民投票については「改修か新築かで(議論が)膠着(こうちゃく)している状態で、統合が進まない。子どもたちのためにも白黒はっきりさせたい」と受け入れた。

 定例会は24年度国民健康保険事業特別会計補正予算案など2議案を可決し、閉会。否決された一般会計補正予算案のうち、統合小学校長寿命化改修工事基本設計・実施設計業務委託料2974万円を除いた部分は全会派から了承を得ており、町は早い時期に専決処分する方針。

 統合小計画を巡っては3月の定例会でも、当初予算案から南小改修の関連事業費を削除する修正案が可決されていた。

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