「『あと1アウト、みんなで取ろうぜ』とキクさんが声をかけてくれた」ノーヒットノーラン達成の広島カープ・大瀬良大地 一問一答

広島カープの 大瀬良大地 投手が球団史上5人目となるノーヒットノーランを達成した後、報道陣の取材に応えました。

― 率直なお気持ちを
信じられないというのが一番。去年・おととしも苦しかったので9回、マウンドへ上がるときの「がんばれー」という歓声がすごくうれしかった。ここまできたらがんばりたいと思った。縁がないと思っていたので、どこか他人事のようだった。

― いつから意識していた?
5回くらいまで打たれてないなとは思った。いっても7回途中くらいまでだろうなと思っていた。打たれた後、どのようなピッチングをしようかと考えていた。

― 狙いに行ったのは9回から?
そう。せっかくここまできたらと思ったのが9回だった。

― 最後の打席の前、みんなが集まってきて言葉をかけられたか?
もう1個がんばれと。ボール先行が続いたので、間を取りに来てくれた。「なんとかあと1アウト、みんなで取ろうぜ」とキクさん(菊池涼介)が率先して声をかけてくれたので、「打たせるので頼むよ」と話した。

― 特にどんなボールがよかった
強いて言うなら、低めのいいところにボールが集まった。カットもスライダーもフォークもシュートもうまく散ってくれた。ゴロアウトが多くて、のらりくらりといけた。こういうピッチングをしたいと思った通りの投球ができた。

― 全ての球種を操りたいと言っていたのが、一つ形になった。
野手が点も取ってくれたし、フォアボールもけっこう出しちゃったけど、全部の球種をストライクゾーンに根気強く集めて、打ってもらいながらなんとかテンポを速め、攻撃のリズムにつなげたいと思った。そういったところもいい結果につながったと思う。

初のノーヒット・ノーラン「記念ボールは妻と子どもへ」

― ノーヒットノーランはアマチュア時代には
大学の時に参考記録なら一度。9回まで行ったのは、きょうが初めて。大学の初登板の9回1アウトまでが最長だった。

― 若いころではなく、いろんなことを重ねての記録だったからこそ格別な思いは?
いろんなことを経験して、苦しいこともたくさんあったが、そこから学びたいと思いながらやってきた。きょうに限らず、ここまではそれが結果に結びついているので、最後まで継続できるようにやりたい。“ノーノー” にひたれるのはシーズンが終わってから。次の登板が大事。記念ボールは妻と子どもへ。

― 2回はけっこう粘られてしまった。
いつも初回に球数がかさんでしまう。きょうは初回に球数少なくいけたと思ったら、2回に粘られて結局、同じような球数になってしまった。がんばっても7回かなあと思っていた。それ以降は順調だったので、序盤に球数を使ったほうが尻上がりにのっていける。ことしはそんな登板が多いので、いつもどおり行けるところまで行ってみようかなと思って投げた。

― 前田健太 投手以来の達成。
その映像を見て「すごいなあ」と思っていた。自分もいつかはやってみたいと思っていた。ネットに上がっているマエケンさんの動画とかを「こんなピッチングしたいなあ」と思いながら見ていた。マエケンさんとは今も時々、連絡を取って、がんばる糧にさせてもらっている。

― 交流戦では久々の勝利。
チームが勝てたことがまずは一番。個人的にも全然勝ってないとは思っていた。また次につなげたい。

― 去年の右ひじの手術も経ての大記録。
3回目の手術。いろんな方の支えがあってこうしてマウンドに立てている。支えてくれた方たちが喜んでくれていると思うと、すごくうれしい。最近は若い子も手術する子が増えているけど、彼らががんばる道しるべになれたらと思う。そんな姿をこれからも見せていきたい。

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