【函館スプリントS】速い持ち時計のある先行馬が圧倒的有利 京大競馬研の本命はアサカラキング

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先行馬が圧倒的に有利

6月9日(日)に函館競馬場で函館スプリントS(GⅢ)が行われる。前走でOPを勝ち勢いに乗るアサカラキングやサトノレーヴ、昨年の上位馬キミワクイーン、ジュビリーヘッドなど16頭が集まった。サマースプリントシリーズの開幕戦であり、ここを勝ってサマースプリント王者の座、その先の大舞台に行かんとする馬がほとんどで、気合いの入る一戦だ。函館の開幕週ということで分かりやすい傾向が出ているため、これに則った予想を組み立てたい。

まずは過去5年の好走馬のコーナー通過順を調べた。馬場が荒れていない上に直線も短いコース形態のため、先行馬が圧倒的有利となっている。2019年から3年連続で逃げ馬と道中2番手が連対するなど、ペース問わずその有利が顕著だ。19年1着カイザーメランジェや20年2着ダイメイフジのように人気薄でもハナを切る馬は重視したい。

今年は逃げ馬アサカラキングの圧倒的人気が予想されるが、ハナを取りきれば崩れる姿は想像しにくい。次のデータと合わせて重視したい。

速い時計が出るレース、持ち時計も重視

続いて直近4回の好走馬12頭が過去に1200mで馬券に絡んだ際の持ち時計について調べた。好走時に限ったのは、1分6秒台の持ち時計があってもそのレースで大敗していれば高速決着に対応したとは言えないからだ。なお、19年は競走除外馬が大量に出たため参考外としている。

近年は当たり前のように1分7秒台の決着が見られる本レースにおいて、速い時計に対応した実績はやはり重要で、12頭中8頭に1分7秒台での好走歴があった。人気薄で馬券になった22年3着タイセイアベニールや20年2着ダイメイフジもこの条件を満たしていた。

残る4頭のうち20年1着ダイアトニック、21年3着ミッキーブリランテは1400mのOPクラスをそれぞれ1分19秒6、1分19秒5で連対した経験があった。

昨年の勝ち馬キミワクイーンは1分8秒台の低速決着でしか実績がなく、当時の予想記事ではその理由から軽視した。風の影響もあって速いタイムが出なかったことは誤算であったが、その後の成績を見る限り、展開が向いたものと考えるのが正しいだろう。本来はキーンランドC向きの馬だと考える。昨年1着馬だが今年も印は打たない。

力上位が逃げたら崩れない

◎アサカラキング
昨年冬から距離を短縮して条件戦を連勝。阪急杯では昇級戦ながら実績馬ウインマーベルに食い下がるなど非常に中身の濃いレースをした。前走モルガナイトSは余力たっぷりの順当勝ちで、ここでも当然力上位だ。持ち時計1分7秒7と本レースの好走条件を満たしており、逃げ馬であることもプラスだ。

◯ジャスティンスカイ
前走初の1200mを1分6秒9で1着。高速馬場であったことを考慮しても非常に優秀で、適性がスプリントに寄ってきた証だろう。アサカラキングほど先行出来ないため2番手評価だが能力は双璧で、アサカラキングの陰に隠れてオッズがそこまで下がらないようであれば、単勝を持っておくのはアリだ。

▲ジュビリーヘッド
人気薄から1頭ピックアップ。当レース2年連続2着で函館適性が高い。年齢を重ね衰えが見られるため、昨年のように本命とはいかないものの、高速決着の適性と持ち前の先行力で復活もあり得るだろう。

△サトノレーヴ
前走でリステッドを勝利。阪急杯4着で力上位は間違いないが、アサカラキングとの比較で少し見劣る。

×ビッグシーザー
葵Sで1分7秒2の持ち時計がある。レース経験を積んだことによる成長で、一時期の不振から脱却した。成長した今なら安定した走りが見られるはずだ。

×カルネアサーダ
大穴枠。現状重賞では通用の気配がないが、OPでは先行して好走歴がある。転厩2戦目で環境に慣れたらもう少し戦える。

馬券は◎◯の馬連1点、◎1着軸の3連単20点、オッズ次第で◯の単勝も少し買って勝負する。函館スプリントSの記事を書くのは3度目だが、3年前は展開無視の人気薄に割られたり、昨年はデータ通りの高速決着にならず1頭漏れたりとなかなか上手くいかない。今年こそは印上位でバッチリ決まってほしいものだ。(文:福山)

函館スプリントS 予想印
◎アサカラキング
◯ジャスティンスカイ
▲ジュビリーヘッド
△サトノレーヴ
×ビッグシーザー
×カルネアサーダ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。



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