茨城県内景気据え置き 6月 日銀水戸 個人消費、緩やか増加

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日銀水戸事務所は7日発表した6月の金融経済概況で、茨城県内景気について「一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」とし、総括判断を前月から据え置いた。個人消費は物価上昇による節約志向などを背景にペースを鈍化させつつも、緩やかに増加しているとした。

個人消費では、宿泊・飲食サービスや旅行といった対個人サービスの売上高が緩やかに増えた。一方で、乗用車新車登録台数(5月)は、一部自動車メーカーの不正による出荷停止の影響などから、全体で5カ月連続で前年を下回った。百貨店・スーパー販売額(4月)は3カ月ぶりに前年を下回った。

住宅投資は基調としては弱い動きとしたが、貸家系、分譲が前年を上回り、全体で3カ月ぶりに前年を上回った。公共投資は市町村が伸び、公共工事請負金額(4月)が3カ月連続で前年を上回った。

雇用・所得環境は、常用労働者数(3月)などが前年を上回り、全体として緩やかに改善しているとした。上野淳所長は「引き続き中小企業の価格転嫁や賃上げの動向、海外経済の動向を注視していきたい」と述べた。

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