【2024年春の天候まとめ】3月は関東で雪&桜満開は4月にずれ込む!梅雨入り前に大雨に

気象庁によると、今年の春(2024年3月~5月)は、北・東日本と沖縄・奄美で記録的な高温となり、降水量は太平洋側では多く、西日本太平洋側や東海では平年のおよそ1.5倍のとなって、春としては1位の多雨となりました。
このコラムでは、月ごとに特徴のあった気象トピックスを解説しています!

【3月】上旬は関東南部で雪!桜の開花は平年より遅れる

3月8日(金):関東南部で最大4cmの積雪

本州の南の海上を低気圧が通過し、関東では上空の寒気が引きずりおろされ、雪やみぞれが降りました。
東京都心や横浜で1cm、さいたまでは4cmの積雪を観測し、3月の積雪としては2020年以来4年ぶりでした。

3月29日(金):東京都心で桜ようやく開花

東京都心では3月末にようやく桜開花の便りが届きました。3月24日の平年日より遅い開花は2014年以来10年ぶりとなりました。

桜の開花が例年より遅れた原因は、記録的な早さとなった2023年と比べると①冬の気温は高く、桜のつぼみが寝ぼけたような状態が続いていたことに加え、②3月上旬の気温がかなり低く、桜の生長が進まなかったこととみられます。
桜の満開は新年度にずれ込み、久しぶりに入学式シーズンを桜が彩りました。

【4月】東京で観測史上最多日数の黄砂観測&GWは暑かった

4月26日(金):東京で過去最多6日目の黄砂観測

今年は東京都心で黄砂の観測回数が多くなっています。3月30日(土)~31日(日)と4月17日(水)~19日(金)、4月26日(金)の合計6日となっていて、統計開始以来、最多の観測となりました。
黄砂は中国大陸の砂漠域から巻き上げられた砂が飛来する現象です。黄砂が原因で呼吸器疾患に持病のある方は症状が悪化するなどの被害が出たり、乗用車や洗濯物が黄色く色づいたり、影響が発生する可能性があります。

GWは暑かった!前半は4月としては記録的な高温に

大型連休2日目の4月28日(日)は、全国的に気温は平年を上回り、25℃以上の夏日は521地点、真夏日地点は38地点で記録し、季節外れの暑さとなりました。
また、平日を挟み5月5日(土)も厳しい暑さとなり、最高気温30℃以上の真夏日地点は100地点を今年初めて超えました。

【5月】都心は休み明けに雨続く!線状降水帯は「府県」単位の呼びかけ開始!

都心で休み明け5週連続で降水1mm以上に!5月最終週の行方は?

4月22日(月)以降、週明けに東京都心では雨が降ることが多く、月曜もしくは祝日明けの火曜に、5週連続で1mm以上の雨を観測しました。
特に5月13日(火)はやや雨脚が強まり、日降水量は50mmを超える大雨となりました。
なお、5月27日(月)の日降水量は0mmとなっていて、雨量としては0.5mmに満たないものの、「降水あり」となっています。

線状降水帯の予測が「地方」単位から「府県」単位に詳細化!運用開始日が前倒しに

気象庁では5月27日(月)から線状降水帯の発生予測エリアを「地方」単位から「府県」単位に変更しました。開始予定日は28日(火)でしたが、前日から大雨が予想されたため、一日前倒して運用が開始されました。
呼びかけが「九州北部」などの地方単位から「福岡県」などの府県単位に詳細になったことで、情報が発表された場合は、災害リスクがより近くで高まっているため、心構えを一段と高める必要があります。大雨シーズンを前にハザードマップなどを確認し、備えましょう!

大雨シーズンを前に見直しておきたい対策とは?

例年の梅雨入りは九州南部から東北北部で6月10日前後に順次発表があります。
今年の梅雨入りは、梅雨前線が日本の南の海上に離れているため、平年より各地遅れる見込みです。ただ、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすく、前線を活発化させ、梅雨入りと同時に太平洋側を中心に大雨となるおそれがあります。
本格的な雨のシーズンを前に見直したいポイントを3つまとめました。

(事前準備)ハザードマップと大雨に関する気象の用語を確認!

梅雨時期に入る前は、自治体で公表されている「ハザードマップ」を確認してみてください。自宅だけではなく、通っている学校や会社の周辺のマップも一緒に確認をし、リスクをまず把握しましょう。

大雨に関する用語は専門的なものが多いですが、整理してみましょう。レベルごとに状況が変わってきますので、ご家族で避難までの行動計画(タイムライン)を作成してみてください。夜間に線状降水帯が発生するような場合は前倒しで日中のうちに対策をするようにしましょう。

(フェーズフリーの準備)普段から食べるものや飲むものを多めに買い置き!

非常時だけではなく日常時から備えるのが「フェーズフリーの準備」です。
非常用の乾パンやアルファ米などの食品よりも、普段から食べ慣れているものを食べることで、災害時の非常事態でも気持ちを少しでも落ち着けることができます。

また、飲料水をご用意されているご家庭も多いかと思いますが、普段から飲み慣れているジュースやお茶などを多めに買い置きしておきましょう。野菜ジュースやトマトジュースは飲んでももちろんOKですが、非常時はカップラーメンに直接入れ15分待てば食べることができ、野菜のビタミンも一緒に補うことができます。

(直前の準備)「水平避難」が基本でも災害が差し迫る場合は「垂直避難」を

ご家族で話し合った行動計画(タイムライン)をもとに、大雨が予想される場合は避難所へ向かいましょう。ただ、道路が冠水したり、川が氾濫したり、避難所に向かえないような場合は、自宅の2階以上の崖から離れた部屋で過ごすようにしてください。基本は避難所に向かう「水平避難」ですが、災害が差し迫るときは自宅で「垂直避難」と覚えておきましょう!

<参考>
・気象庁HP「2024年春(3月~5月)の天候」
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/longfcst/seasonal/202405/202405s.html

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