工場立地 茨城県「2冠」 面積は2位 県外企業47件

茨城県の工場立地動向の推移

経済産業省が7日発表した2023年(1~12月)の工場立地動向調査で、茨城県は県外企業立地件数と県内企業を含む全体の工場立地件数がともに全国1位で、2年連続の「2冠」となった。工場立地面積は2位だったが、いずれも前年に比べて増加した。県は首都圏に近い立地の優位性や県独自の優遇制度などが企業の進出を後押ししたとみている。

調査によると、県外企業立地は前年比7件増の47件で、7年連続の1位。2位の栃木は20件で、2倍以上の差をつけた。

県内企業を含めた全体の工場立地件数は同15件増の75件となり、3年ぶりに1位に返り咲いた。2位は愛知で62件、3位は静岡で47件。

前回1位だった工場立地面積は2位。同49ヘクタール増の165ヘクタールだったが、北海道の276ヘクタールに及ばなかった。2冠は、立地面積(116ヘクタール)と県外企業立地(40件)で1位となった昨年に続き2年連続。

県内の主な立地企業として、県が約20年ぶりに造成した工業団地「圏央道インターパークつくばみらい」に、食品メーカーの日清食品(大阪)が33.1ヘクタール、空調メーカーのダイキン工業(同)が9.8ヘクタール、農機大手のクボタ(同)が9.4ヘクタールをそれぞれ取得。そのほか、日立ハイテク(東京)は、ひたちなか市内に9.3ヘクタールを取得した。

地域別の立地件数は県西が25件、県南が21件で、両地域で全体の61%を占めた。県央は13件、鹿行は11件、県北は5件だった。

県は半導体や次世代自動車など、成長が期待できる産業の関連企業の誘致などに力を入れている。首都圏に近い優位性や、本社機能移転に対する補助金など独自の優遇制度をPRし、戦略的な誘致活動に取り組んできた。

茨城県や埼玉、千葉などを環状に結ぶ首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の4車線化などから、今後も圏央道沿線地域を中心とした立地需要を見込む。

県立地推進課は「圏央道の4車線化で利便性が一層高まる。優遇制度をアピールして誘致につなげ、質の高い雇用創出や地域経済の活性化につなげたい」としている。

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