『違国日記』での“オン眉ぱっつん姿”も話題! 『逃げ恥』『恋空』新垣結衣が演じた実写化作品を振り返る

(C)2024 ヤマシタトモコ・祥伝社_「違国日記」製作委員会

6月7日、ヤマシタトモコさんの漫画を原作とした実写版映画『違国日記』が公開された。主人公である人見知りの少女小説家・高代槙生に抜擢されたのは、女優の新垣結衣さん。完成披露舞台挨拶にてオン眉ぱっつんの姿で登場した彼女はこれまでの雰囲気とはまた違った一面を見せており、スクリーンではどんなキャラクターを演じているのか気になるところだ。

そこで今回は、数々の作品で独自の存在感を放ち続ける新垣さんがこれまでに演じてきた実写化作品の数々を振り返っていこう。

■人生の転機にもなった!? ご存じ“逃げ恥”!『逃げるは恥だが役に立つ』

数々の有名ドラマ・映画に引っ張りだことなっている新垣さんだが、彼女の人生にとっても大きな転機となった作品といえば、2016年に放送されたドラマ、“逃げ恥”こと『逃げるは恥だが役に立つ』だろう。

本作は、月刊漫画雑誌『Kiss』(講談社)にて2012年から連載された海野つなみさんの漫画が原作となっている。派遣切りに遭い無職の身となった女性・森山みくりと、彼女が“家事代行”を通じて出会う男性・津崎平匡との間に繰り広げられる恋愛模様を描いたラブコメだ。

展開の面白さもさることながら、主題歌に合わせてキャスト陣が踊る「恋ダンス」といった演出も話題を呼び、瞬く間に社会現象を引き起こすまでの超人気作品となった。

そんな本作において、新垣さんはみくり役を演じている。はじめこそ互いの環境を守るため“契約結婚”という形で津崎と接していたみくりだが、物語が進むにつれ仕事や恋愛への価値観が変化していき、津崎に対しても真の恋愛感情を抱くようになっていく。

自身の生き方や恋心の狭間で揺れるみくりの姿を新垣さんはときにポップに、ときに真剣に演じることで、独特の緩急を持つ人気キャラクターへと昇華させた。

その熱演っぷりが功を奏し、ドラマは常に高視聴率を記録。まさに、ドラマ史に残る極上のエンターテイメント作品となった。

しかも、なんと本作での共演を経て、新垣さんは津崎役の星野源さんとの結婚を発表。SNSなどでは「逃げ恥婚」なるワードも飛び交い、お祝いや歓喜の声に包まれることとなったのである。彼女自身の人生をも大きく変えた、重要な一作といえるだろう。

■ときには原作ファンゆえのマニアックな一面も? 恋愛作品編

新垣さんは“逃げ恥”のみならず、ほかにも数多くの“恋愛”をテーマとした実写化作品に出演している。

たとえば、ケータイ小説家・美嘉さんの作品を原作とした2007年公開の映画『恋空』。本作で新垣さんは、主人公の女子高生・田原美嘉を演じた。

当時、まだ10代だった新垣さん。元カノからの嫌がらせ、妊娠に流産といった数々の悲劇に翻弄される難しい役柄でありながら、初々しくも真剣に恋に向き合う女子高生の未成熟な姿を見事に演じ切っていた。

また、2011年には、高橋留美子さんの名作漫画を原作としたドラマ『らんま1/2』で、ヒロインである格闘少女・天道あかね役に抜擢されている。

オリジナルストーリーが展開されるドラマ版において、原作同様のハイテンションなラブコメのみならず、新垣さんは数々の“格闘アクション”にも挑戦することとなった。

加えて、原作の天道あかね像により近付けるため、中学生以来となるショートヘアを披露。なんと、ヘアサロンで自らハサミを取り、躊躇することなく25cmもバッサリと髪を切り落としたそう。

実は新垣さん、かなりの“らんまファン”であることから、髪を切る際にも漫画とアニメのどちらの髪の長さに合わせるべきか……という、なかなかマニアックな質問で周囲を驚かせたのだとか。

役作りの真剣さはもちろん、ドラマの撮影を心から楽しんでいる様子がうかがえるエピソードだ。

■可愛いキャラクターばかりじゃない!…大人の魅力編

“恋愛”をテーマとした作品のみならず、数々の“ヒューマンドラマ”にも新垣さんは出演している。

2010年、三田紀房さんの漫画を原作としたドラマ『エンゼルバンク〜転職代理人』のなかでは、主人公の英語教師・井野真々子の元教え子の大学生・藤川花凛として登場した新垣さん。本作は2005年に放送されたドラマ『ドラゴン桜』の世界観を受け継いでおり、真々子役の長谷川京子さんと新垣さんは約5年ぶりの共演となった。

新垣さんが『ドラゴン桜』に出演した際はまだ10代のころ。当時は未成熟なコギャルキャラを演じていたのだが、今回の作品では“大学生”として、大人びた演技で物語にかかわっていく。

このように、可愛らしさのみならず真剣な“大人”としての演技が光るのも、新垣さんの持ち味の一つといえるだろう。

また、2014年、原作:小森陽一さん、作画:藤堂裕さんのタッグによる漫画『S-最後の警官-』を原作としたドラマにおいて、新垣さんは警察庁特殊急襲捜査班、通称“NPS”に所属する狙撃班狙撃手・林イルマ役を演じている。

普段、可憐で愛くるしい姿のキャラクターを演じることが多い新垣さんだが、本作では一変、元陸上自衛隊特殊作戦群所属の“狙撃手”というなんともシリアスな役柄を演じることとなった。

見た目こそ可愛らしいものの、強い正義感と卓越した銃の腕前、そして焼酎が大好物といった強烈なキャラクターを通じ、新垣さんも演者としての新境地を切り開いたようだ。

新垣さんは持ち前の可憐さや高い演技力で、さまざまな実写化作品のキャラクターを見事に再現、演じ切っている。明るく、ときにシリアスに……演じるキャラクターごとにまるで異なった顔を覗かせるのも、女優としての高い実力あってこそのことだろう。

© 株式会社双葉社