むつ中間貯蔵 隣接5町村も安全協定/RFSに締結申し入れへ

 7~9月に事業開始を予定している使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)を巡り、同市に隣接する大間、東通、風間浦、佐井、横浜の5町村が施設を運営するリサイクル燃料貯蔵(RFS)と安全協定を締結する方向で合意したことが7日、分かった。現在議論が進んでいる県、市との安全協定とは別に、町村側もRFSに協定締結を今後申し入れる。

 東通村の畑中稔朗村長が、同日開会した定例村議会の提案理由説明で報告した。複数の町村も同日の東奥日報の取材に認めた。

 同村によると、使用済み核燃料を保管する施設であることなどを踏まえ、安全性を確保するため隣接5町村の連携した対応が必要との考えから協議を進め、安全協定を結ぶことで一致した。

 安全協定は、5町村連名でRFSと締結することを想定している。内容は県、市、RFSによる安全協定と関連性があることから、3者の協定案の議論と並行して検討を進め、3者による協定内容が固まり次第取りまとめる方針。締結に向けた手続きは、3者の締結が行われた後に本格化させる。

 畑中村長は取材に「事業開始が目前となり、隣接町村としても対応を進めていく段階に来た」と述べた。大間町の野﨑尚文町長は「近隣自治体と連携を密にして、万が一の場合に備えて体制を整えていきたい」、横浜町企画財政課の澤谷隆充課長は「何かあった場合、横浜町に直接影響がなくても、町が避難や支援のルートになることが考えられる。住民の安全安心を守るためにも安全協定を結ぶ必要がある」と語った。

 RFSの担当者は、現段階で町村側から安全協定締結の要請はない-とした上で、「要請があれば真摯(しんし)に対応していく」と述べた。

 県が5月27日に示した3者の安全協定案は核燃料を入れる容器(キャスク)の貯蔵期間を50年間と明記したほか、異常時の連絡体制や風評被害の措置などを規定している。

 同施設は重大な原子力災害が想定される施設ではないとされ、国の原子力災害対策指針では事故時に直ちに避難を求める「予防防護措置区域(PAZ)」、屋内退避を求める「緊急防護措置区域(UPZ)」は設定されていない。

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