宇垣美里, 北野日奈子, 新木宏典, 田中直樹 出演 幕間コントドラマに津田健次郎 AOI Pro.コント公演『混頓vol.3』開幕

新作書き下ろしオムニバスコント第三弾AOI Pro.コント公演『混頓vol.3』が開幕した。
1作目の脚本・演出はお笑いコンビ ラブレターズ・塚本直毅で『生徒の宝くじ』、2作目には「桃尻犬」主宰の野田慈伸が『友達に戻れたことなんてない』を脚本・演出。出演は宇垣美里、北野日奈子、新木宏典、田中直樹(ココリコ)。
幕間にコントドラマ『お相手は、村松薫でした。』が上映される。こちらの主演に津田健次郎、共演に井桁弘恵、かもめんたる・槙尾ユウスケなど、『混頓』シリーズの豪華俳優陣が出演。脚本はハナコ・秋山寛貴、前野朋哉が監督。
開演前は楽しくも可愛いキャラクターが映像で登場する。コン(誰が見てもキツネさん)、トン(誰が見ても豚さん)、ガオル(誰が見ても虎さん)。ちょっと早めに席に着いておきたい。そしてオープニング映像。それから始まる。

『生徒の宝くじ』、場所は職員室、よく見かけるデスクと椅子。牧田尚道(田中直樹)、教師を20年間やってきた、それなりのキャリアがある。「宝くじ、当たるとその人が変わるのではない、周りが変わる」と呟く、母親も入院。

普通の演劇なら、シリアスな展開になるはず。だが、そこはコントなので、そうはならない。そこへやってきたのは同僚の教師。それから保護者・布施竜童(新木宏典)も。保護者・布施の物凄い態度(笑)、「いつも息子がお世話になってます!!!」。

個性的な教師たちに癖強な保護者、宝くじにまつわる家の話をし始める布施。普通じゃない展開に客席は笑いっぱなし。そんなこんなをしていると、職員室になんととあるフライドチキンで有名な○○バーレル持ち込んで(笑)。本当に食べてる!

登場人物たちはちょっと変わってるが、意外と共感できるところもあり、そこへ”宝くじ”、身近でありながら、”当たる”という身近ではないシュツエーション、そことの掛け合わせ。ラストの景色は…”宝くじ”らしい!

合間の”リアル”コント(ゲネプロでは青色一号)と幕間のコントドラマ『お相手は、村松薫でした。』上映。通常の演劇なら休憩時間になるかもしれないが、この『混頓』シリーズは、そこに別ネタのコントを挟み込む。よく「デザートは別腹」というが、コントの「別腹」で、客席を笑わせる。『お相手は、村松薫でした。』、主演は人気声優の津田健次郎。ひょんなことで火災報知機の点検に訪れていた点検員・村松薫(津田健次郎)がラジオ局の騒動(騒ぎ過ぎ)に巻き込まれるが、今回はほんの序の口。それが終わり、次のコントへ。

『友達に戻れたことなんてない』、舞台には公園によくあるベンチ。冒頭はいきなり新木宏典の変顔(笑)。

ベンチには1組の男女。ベンチの男性は千堂(田中直樹)、女性は鏑木ユミ(宇垣美里)。ユミとケンジ(新木宏典)、どうも顔見知り?顔見知り以上?千堂を指差して「おじさんじゃん!!」。ユミはケンジに対してキレる、「気持ち悪い!」、千堂、いかにも居心地悪そう(笑)。「私の前に現れないで!!」立ち去るユミ。

残された千堂とケンジ。人の良い千堂は…なぜかカバンからマイクを(笑)、なんでそんなもの、カバンに???というツッコミは無しで!典型的な巻き込まれ型キャラの千堂。

そこへ別の女性がやってくる、名前は留美子(北野日奈子)。ケンジは「留美子はストーカーで宇宙人」もはや言ってることが意味不明。

そして…『混頓』らしい展開に客席から笑いが。『友達に戻れたことなんてない』、なんだかシリアスなタイトルだが、全くシリアスではないので!
『混頓 vol.2』もそうだったが、この『混頓 vol.3』も期待通りの謎展開、だが、その謎展開がとにかく意表を突いており、そこが笑いのツボ。「なんでそっちにいくの?」というあらぬ方向が「混乱」を呼び、「混沌」として、さらにそこに「コント」を掛け合わせる。普通のコメディなら、撒かれた様々な物事をラストできっちり回収してハッピーエンドの大団円になるのだが、これは、そうはならない。その予測できない展開とキャスト陣の振り切った演技とちょっとしたやり取りの面白さを堪能するのが『混頓』、深く考えずに!公演は9日まで。急ごう(笑)。千秋楽は配信も用意。

会見時コメント

宇垣美里
今作のお話を頂いたときは、初めて舞台に立てる喜びもありましたが、一方で笑いはすごく難しくて。特に私は関西で育っているので、基準が自分の中で勝手に高くなっていて、「わたしなんかでいいのだろうか」という気持ちもありました。でもそこはやっぱり田中さんが優しいので、その包容力でしっかりと受け止めてくださって、みんなでひとつの作品を作り上げていけたのは幸せなことだったなと思っています。
ひとつの作品、ひとつのシーンを何度もブラッシュアップする経験というのはやはり舞台ならではと思いますし、どのように受け取ってもらえているかを生で見られる環境も今までなかったので、皆さんにダイレクトに届くお仕事ができるのは、怖さもありますが、とても楽しみです。
1公演でふたつのコント、しかも同じ4人の役者が出るということで、コントによってカラーも違いますし演じる役も違っていて、それぞれの役者のギャップや幅を皆さんに楽しんでいただけるのではないかなと思います。
私の好きなシーンはいっぱいありますが、とあるシーンでとある曲が熱唱されるシーンがあって。私は稽古でそこを見るたびに腹がよじれるほどに笑って、その曲がかかるだけでふっと笑ってしまうようになってしまいました(笑)。お客様にも早く私と同じように腹筋を痛めていただきたいなと思っています。

北野日奈子
2本のコントを同じ公演でやるのは初めての経験です。本当にみんなガラッとキャラクターが変わって、同じ役者でも全く違うように見えるので、すごく振り切った田中さんと宇垣さんと新木さんを見てほしいなと。私は結構、地でやっているところがあるので(笑)。観てくださる皆さんに、ゆるやかで、心から楽しい時間を過ごしてもらえたらなと思っています。お客様に「笑ってください」と大きめに言っておいて本番に挑みたいです(笑)。
好きなシーンは『友達に戻れたことなんてない』の最初のシーンで、稽古で「今日の新木さんはどう出るんだろう」と楽しみにしていたので、本番も毎回違う光景を見せてくれると思っています。

新木宏典
僕たちもこのステージに立つのは今が初めてなのですが、稽古場で培ってきたものをこれからこの場所でまとめあげて、しっかり作って明日の初日を迎えたいと思っています。
この作品の見どころは、違う脚本家が書いたふたつのコントや映像、芸人さんのコントなど、色々な笑いを一つの作品で届けるところだと思います。僕自身はやっぱりお芝居が楽しいと思うので、初めて共演させていただいた田中さん、宇垣さん、北野さんと、アイコンタクトをとって、舞台上で感情を共有していると感じられるのが重要で、大切にしたいシーンになっています。

田中直樹(ココリコ)
初めてこの会場に来ましたが、事前に調べて見ていたホールと違っていて、今日客席の雰囲気を見た時に、全然違うところを見ていたんだなと(笑)。明日に向けて今から帳尻をあわせていきたいと思います。俄然やる気が出てきました!
4人のコントは、まず台本がとても面白くて素敵で。長尺のコントはストーリーの大切さがより求められる、それがないと笑いが乗ってこないのかなと思うのですが、今作は見事に書かれていますので、あとは僕らがどう演じるか次第だと思います。逆にその鍵は僕らがにぎっているんだぞと、脚本家のふたりに言いたい(笑)。あとはコントなので自由に楽しく、その場をみんなで作っていけたらなと思っています。

『生徒の宝くじ』あらすじ
職員室。「もうこの仕事をやめよう…」
そう心に決めた教師の元に、同僚が優しく声をかけてくる。
「先生が没収した生徒の宝くじ、当たってたって本当ですか…?」
固まる教師。目つきが鋭くなる同僚。
人のいない職員室で、静かな話し合いが始まる…。

『友達に戻れたことなんてない』
仕事のミスをフォローしてくれた会社の先輩といい雰囲気になった夜、ワンチャンあるかもと思っているユミのもとに昔の恋人・ケンジが現れる。ケンジはいまだにユミの事が好きで好きでしょうがない。ユミはこれまで恋人と円満に別れたことなどただの一つもなかった。そこにケンジの恋人を名乗る女が現れる。女にはある秘密があった。

<『混頓vol.4』8月上演>

<プロデューサー クロストーク>

<『混頓 vol.2』レポ記事>

概要
AOI Pro.コント公演『混頓vol.3』
日程・会場:2024年6月7日(金) 〜 6月9日(日) TOKYO FMホール
脚本・演出:塚本直毅(ラブレターズ) / 野田慈伸(桃尻犬)
出演:宇垣美里 北野日奈子 新木宏典 田中直樹(ココリコ)
チーフプロデューサー:代情明彦 松任谷玉子(TOKYO FM)
プロデューサー:伊藤夏恵 黒澤優介 植田真作(TOKYO FM) 野々村昌毅(TOKYO FM)
協力プロデューサー:吉田和睦(ナナガツ) 小松香織(TOKYO FM)
アシスタントプロデューサー:大下沙綾 鈴木伊織 涌井恵美子 広報:大髙日菜子
主催/企画・製作:AOI Pro.
共催:TOKYO FM

公演公式HP:https://aoi-conton.com/conton3/

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